内容説明
行き場を失ったエネルギーが男も女も不幸にする?女性のからだについて、思春期、月経、性、出産という、もっとも本質的なことについて再考する。
目次
はじめに オニババ化とは何か
第1章 身体の知恵はどこへいってしまったのか
第2章 月経を「やり過ごして」よいのか
第3章 出産によって取り戻す身体性
第4章 女性はなぜオニババになるのか
第5章 世代をつなぐ楽しみを生きる
著者等紹介
三砂ちづる[ミサゴチズル]
1958年山口県生まれ。1981年京都薬科大学卒業。1999年、ロンドン大学PhD(疫学)。ロンドン大学衛生熱帯医学院研究員およびJICA(国際協力事業団、現・国際協力機構)疫学専門家として約一五年、海外で疫学研究、国際協力活動に携わる。2001年1月より国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)疫学部に勤務、2004年3月まで応用疫学室長を務める。2004年4月より、津田塾大学国際関係学科教授。専門はリプロダクティブヘルス(女性の保健)を中心とする疫学
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感想・レビュー
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みゃーこ
55
女性の身体性を取り戻すことで自らの身体感覚に自信を取り戻すという考え方は本質をついていると思う。エネルギーの源を求めてさまよう現代人に忘れられた感覚をついている。また言いにくいことをズバズバ表現していく様は圧巻。ここまで言ってのけるならむしろ持論も気持ちがいい。しかしあれだ、参考文献や事例が特殊すぎて参考にならないんじゃないかと思うような感じはした。2015/12/29
扉のこちら側
39
初読。ふむふむへぇーと大変興味深く読了。女性と社会の在り方について全面的に同意はできないけれど、考えとしては面白いし、これができるような社会であれば救われる女性も増えるだろう。2013/01/02
*すずらん*
29
大学生の時 テスト返しが終わった途端に、先生がこの本を勧められたのを思い出し手に取りました。想像していた本の趣向とは異なり、出産や女性性について新たな視点から論じられていました。目から鱗状態でした。私も自分の身体の声をもっとよく聞かなければならないと、背筋が伸びる思いでした。そうしないと 昔話に出てくるオニババになる日は、そう遠くないと思われます…(・・;読了した時にハタと気が付いたのですが、この本を熱心に勧められておられたのは、女性学の先生でも社会学の先生でもなく、第二外国語の英語の先生でした。ナゼ??2013/01/29
ぺけぽん
28
自分の身体と向き合うという考え方には賛成です。やはり女性の身体は男性よりずっと複雑で繊細にできていますから。ですが、ちょっと考え方が上から目線といえなくもありません。20代で結婚や出産ができる人はやはり中流階級以上の人、経済力もそこそこある人&仕事に恵まれている人です。それ以下の人は例え「たいした仕事」をしなくても仕事をしないと食べていけない、はっきりいって子どもどころじゃない、ということをわかっていないのだろうな。とはいえ、イライラせずに最後まで読むと「なるほどな」という落とし所に出ます。2013/08/27
めりの
27
独身子供なし女性をオニババだのろくでもないだの、ここまで言われると、いっそ清々しいわ。若者達にこの本を読ませたら皆あわてて結婚する気になるんじゃないでしょうか。日本に助産院や保育所が増えて、ブラジルのように社会全体で若い人たちをサポート出来たら日本社会も安泰ですね。助産師制度が残っていたことは幸運だったんですね。2014/07/21