ちくま文庫
つげ義春1968

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  • サイズ 文庫判/ページ数 248p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480037589
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0195

内容説明

マンガ史上の名作「ねじ式」。1968年発表直後の世間の反応は意外にも冷やかなものだった。著者は雑誌『ガロ』の編集者として、その創作プロセスをつぶさに見とどけている。構想されながらも、陽の目を見なかった幻の作品のこと、つげ義春をめぐるさまざまな人々の交流など、1968年という時代に生まれた傑作とそれを生んだ時代の熱気をいきいきと伝える。

目次

第1章 貸本マンガから『ガロ』へ(それは白土三平からはじまった;水木しげるとつげ義春;つげ義春の衝撃)
第2章 つげ義春1968(「ねじ式」の思い出;つげ義春のテッテ的;つげ義春の暗闇への偏愛;「ねじ式」の周辺)
第3章 つげ義春をめぐる人たち(つげ忠男のこと;ある一夜;座談会“マンガ・ブーム”とは無縁か;『ガロ』と『漫画主義』;『ガロ』編集長・長井勝一との別れ)

著者等紹介

高野慎三[タカノシンゾウ]
1940年東京生まれ。明治大学卒業後、「日本読書新聞」編集部を経て、青林堂に入社。「月刊漫画ガロ」の編集にたずさわり、つげ義春作品の誕生に編集者として立ち会う。かたわら故・石子順造、山根貞男、梶井純らと「漫画主義」を創刊する。その後、北冬書房を設立し、マンガ誌「夜行」の発刊など独自の出版活動をつづけている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

xtc1961ymo

9
つげ義春さんが水木しげるさんのアシスタントをしていた頃から、つげさんに注目して、ガロに入社し、つげさんのアパートにも、通いつめ、漫画のアイディアなどの話を聞いて、ガロの特集にて、書き下ろし作品として、ねじ式を掲載させた張本人による、漫画書きの群像。ねじ式掲載に関しては編集長の長井さんは否定的な意見だったのを著者が強引に写植屋に手配して載せてしまった故、ほんとうに時代の熱気がまざまざとテッテ的に感じられます。弟さんの忠男さんや、白土さん、水木さん、滝沢さんそして歌手の森田童子にまで触れられていて、著者無くし2014/07/11

itosan04

7
樋口一葉には歴史的良作ばかり集中して書いた「奇跡の14ヶ月」という時間がある。ドストエフスキーも例の5大長編を書いたのは、かなりの集中期間だったと思う。 つげ義春の場合、1968年はそういう重要な集中的に名作を出した当たり年だった。中でも一番有名な「ねじ式」という作品。高野氏によると、1968年でなければ「ねじ式」は誕生することができなかったという。「状況」なる言葉が多用されているが、これは「政治の季節」全共闘運動の周辺をさしているのだろう。2016/01/29

ばー

6
つげ義春の「ねじ式」がガロで発表された年が1968年。そして、時代は70年安保に突入する直前。両者ともとても興味深いテーマで、読書が楽しかった。つげさんの担当編集者であり友人でもあった著者が、つげさんとの交友録や作品評論、自身の回想録等をまとめたもの。どんな時代であっても、何かに熱中し、時代を動かそうとする人たちのダイナミズムは誠に偉大である。作者の「愛・つげ義春」が伝わってきて、同じつげさん好きとしてはニヤニヤしっぱなし。戦後民主主義が、いかに高い壁であったか。同時代性を持って感じたかった。切に想う。2013/01/13

つちのこ

4
つげ義春にとって1968年は名作『ねじ式』を発表した直後で、大きな転換期を迎えた年であったようだ。水木しげるのアシスタントとして背景を描いたりしていたようだが、一方で精力的に世に問う、独特な作品を描いていた時期でもあった。(2002.9記)2002/09/23

oiooaa

2
石子順造の件で泣きそうになった2012/06/11

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