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ちくま新書
カルチュラル・スタディーズ入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058614
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0210

内容説明

日常生活の問題を研究対象とするカルチュラル・スタディーズは、理論と実践をつなぐ運動である。サブカルチャー、メディア、ジェンダー、エスニシティ…などの研究を通じてカルチュラル・スタディーズが目指しているものは何か。体制的なものと反体制的なもの、権威の中心と外側、といった二項対立を突き崩しながら文化と政治の関係を考える、最も新しい理論/実践の運動を始めるための入門書。

目次

第1章 カルチュラル・スタディーズとは何か(イギリスにおける前史;フランクフルト学脈とカルチュラル・スタディーズ;構造主義と記号論;バーミンガム現代文化研究センターとサッチャリズムの時代 ほか)
第2章 何を扱っているのか(メディアを研究すること;サブカルチャー論;カルチャル・スタディーズのフェミニズム;人種主義・本質主義・警察的管理 ほか)
第3章 カルチュラル・スタディーズの現在(日本におけるカルチュラル・スタディーズ;都市研究と空間論的転回)

著者等紹介

毛利嘉孝[モウリヨシタカ]
1963年生まれ。現在、九州大学大学院比較社会文化研究科助教授。専門は社会学、文化研究。共訳書に「カルチュラル・スタディーズ入門」がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

16
「汚い」世界の問題をアカデミズムという清潔な空間に持ち込むことだとスチュアート・ホールが語る、文化研究。英国での発祥や独のフランクフルト学派、仏の構造主義にフェミニズム、ポストコロニアリズム等との参照・影響関係のもとで文化と呼べるものならなんでも手をつけた貪欲な潮流を紹介する本書の面白味は、有名な議論や学者の羅列だけじゃない。すでにある程度大学に根づいた営みにおいて、研究者が遠い他者たるマイノリティには配慮と共感を見せながら日常の近い他者には無神経だったり声を届けられていない現状への、正当な危機感を表明。2017/05/12

サイバーパンツ

13
芸術や文学などのハイカルチャーからテレビやラジオなどのマスカルチャー、アニメやゲームなどのサブカルチャーまで。カルスタの取り扱いジャンルは多岐に渡り、制度化/体系化できるものではない。カルスタの「わからなさ」をわかることがカルスタを知る第一歩なのだ。本書では、細かな内容は理解できなかったが、「よくわからない」カルスタの空気感は伝わってきた。そういう意味で、本書自体なかなかカルスタ的一冊といえる。2016/09/08

ころこ

6
ここの多くのレビューが指摘している通り、カルスタトは何か?というのがよく分かりませんでした。ヒントになるのは、近年出版されているカルスタ学会誌「年報カルチュラル・スタディーズ」でしょうか。2015年は「安倍政権によって現実になりつつある戦争」で、2016年は「反資本主義」だそうです。はたしてこれは学会誌といえるのか、確かにカルスタの定義には、権力との関係と政治批判は含まれています。他方、本書ではカルスタは何をやってもいいんだと書いてあります。ですが本書で行っているのは、1級文化、2級文化(本書で取り上げら2017/07/23

よきし

6
自分の興味のある問題が、カルチュラル・スタディーズに近いというのは知っていたが、思っていた以上にどっぷり近いのだなというのを改めて発見できた。読んできた本や読みたい本をいろいろ位置づけしてもらえたのもありがたい。まさに入門として良書。その割に出たときに買って途中まで読んで放置してしまってたんだなぁ。いまさらながら悔やまれる(笑)。2011/01/30

伊野

5
カルチュラル・スタディーズの発端は、英国のバーミンガム大学に属するCCCS(現代文化研究センター)にスチュアート・ホールが在籍した1969年以降の10年間に発展したようだ。実際の活動の中での体系構築となるのだろうか。その様子は詳しく分からなかった。カルチュラル・スタディーズについて初めは目まぐるしく多様化を続ける文化的様相を哲学や科学的理論を用いて批評する研究手法程度の印象しかなかったが、一応それは刷新された。「わからなさ」を分節化すること。2018/07/03

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