内容説明
人類は今、環境破壊と軍事紛争という二つの大きな課題に直面している。それはいずれも、一神教的世界観に支えられた畑作牧畜民によって引き起こされたものだった。彼らの文明のエートスである拡大への志向が、激しい自然破壊を引き起こした。同時に、家畜をコントロールするためには力が必要であり、その力の行使を正当化するために、超越的思考は畑作牧畜文明を形而上学的・倫理的にサポートすることになった。それに対して稲作漁撈文明は持続を重視し、江戸社会に見られる高度な環境調和型文化を築いてきた。そうした発想がどのように形作られてきたかを文明興亡史のなかに探り、環境考古学の立場から検証する。
目次
第1章 畑作牧畜文明から稲作漁撈文明へ
第2章 アニミズム・ルネッサンスと女性原理の復権
第3章 水利共同体が創った紛争回避メカニズム
第4章 文明史から見た日本とインド
第5章 環太平洋のアニミズム連合
第6章 江戸時代が築いた環境調和型文化
第7章 ハイテク・アニミズム国家の構築
著者等紹介
安田喜憲[ヤスダヨシノリ]
1946年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター教授。スウェーデン王立科学アカデミー会員。京都大学大学院理学研究科教授(併任)、フンボルト大学客員教授などを歴任する。文明の盛衰を環境変動との関わりで調査・研究し、地球環境問題への提言は高い評価を得ている。2001年、地球科学や環境科学の分野で著名なクロホード賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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