出版社内容情報
【全巻内容】1 ギリシア哲学(藤沢令夫監訳)2 中世の哲学(山田晶監訳)3 近代世界の哲学 ミュンツァーからライプニッツへ(竹内良知監訳)4 啓蒙時代の哲学(野沢協監訳)5 哲学と歴史 カントからマルクスへ(野田又夫監訳)6 産業社会の哲学 ニーチェからフッサールへ(花田圭介監訳)7 人間科学と哲学(田島節夫監訳)8 二十世紀の哲学(中村雄二郎監訳)
内容説明
十八世紀ほど特殊で哲学的な形でのイデオロギーが豊かで活発だった世紀はない。スピノザ、デカルトら前世紀の哲学者の苦心の体系も失敗するに決まっていること、普遍的な知などありえないこと、現実の力は四方八方で閉ざされた体系から溢れ出ることなど、十八世紀の「哲学する」作家たちのイデオロギー革命の跡を辿る。
目次
1 ジョン・ロック
2 バークリ
3 ヒューム
4 十八世紀のフランス啓学
5 『アウフクレールング』ロマン主義
6 ジャン=ジャック・ルソー
7 デカルトからカントに至る原因性の観念
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卯の花
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シリーズ第3巻から続けて読んだことになるが、全体としては、前巻に比べ翻訳はかなり読みやすくなっており、論旨をたどり易い。但し、本書に置いて最も紙数が割かれ、内容的にも最重要視されたと思われるルソーを扱った第6章は、全編を通して日本語がこなれておらず、訳者にも訳文の意味が分かっていないのではないかと思われる箇所も散見され、分かり易いとは言い難い。フランスとドイツにおける啓蒙主義の周辺を扱った第4章・第5章では、領域横断的な論考となっており、言及される人物及び種々テクストへの関心も惹起され、参考になる点多々。2022/05/26