内容説明
今日、家族の問題に心理学的見地から取り組むことの必要性が、ますます高まってきている。本書は、家族心理学の入門書として企画され、現代家族が直面している心理的な諸問題に対して理解が深められるよう構成されている。すなわち、前半部では家族心理学に特徴的なシステムズ・アプローチの基本的枠組みについて考察し、中間部では結婚や家族関係にかかわる心理的問題の分析と解説がなされる。また、終わりの3章では、家族関係への心理臨床的方法や心理援助的介入について概説される。補訂に際し、最近とくに社会問題となっているアダルト・チルドレン現象や児童虐待について補足し、また、最新の資料に基づいて統計データを差し替えるなど、急速な家族問題の変化に対応した内容となっている。現代家族の問題の諸相をさまざまな視点からとらえ、考察するのに好適なテキストである。
目次
家族心理学の課題と方法
家族の心理構造
家族の心理過程
夫婦関係の心理
親子関係の心理
きょうだい関係の心理
親子孫―多世代関係の心理
家族のライフ・コースと発達段階
恋愛と配偶者の選択
父性・母性とペアレンティング
児童虐待―子ども・家族・社会
夫婦間暴力と家族心理
こどもの家庭内暴力と家族心理
子どもの自殺と家族心理
子どもの非行化と家族心理
子どもの神経症・人格障害と家族心理
ミドル・エイジ夫婦の心理的危機
老年期夫婦の心理的危機
家族関係の心理査定
家族関係への心理臨床的介入