感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
12
人間の経済とは、不足の中で合理的配分を考え成長を目指すのが第一原理……などということは全くなく、逆に地球にエネルギーとは常に必要を越えて満ち溢れており、その過剰なエネルギーをいかに浪費するのか、ということが普遍経済の根本原則なのだと経済のイメージ自体を完全に塗り替えた、独創的な思想書。過剰の蕩尽の最もわかり易い例は例えばアステカ族の生贄の供犠や、インディアンのポトラッチ。一見そうした誇示的浪費や過剰から解き放たれたような経済史すら、根本的にはそうした過剰な部分をどう組織化してきたかという視点で記述している2017/09/11
Stemonitis m.(すてもに)
1
人間は活動を行ううえで生じる「剰余」をどうやって非生産的に消費してきたかという本。成長に振り分けられる分以上の剰余が勝手に溜まっていくという見方は、良くも悪くも脳天気な気もする。文明論・時評の部分は幾分独創性に欠ける気もする(それでもマーシャル・プランの評価は独創的だと感じたが)。他方、彼自身の議論は電波すぎてアレ。特に後半は消化不良なので再読したい。まあ、普通に面白い本でした。2011/11/12
hechima1106
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このような人がかつていたのだ
tekesuta
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近代から見ると非難されたり無駄に思えたり残酷とも思えるような数々の蕩尽はそれ自体意味のあるものであるとバタイユは説く。実際近代経済はこれらを排除して素敵なほど生産的になったのであるが、この行き着く先は極端な場合全体主義ということになり、これまたよろしくない。まあ難しいものであるな。 2013/02/05
ノボ
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剰余エネルギーは「蕩尽」される、と。彼の思想には賛同できかねる。2012/05/26