目次
「ロシア」の成り立ち
キエフ・ルーシの時代
諸公国分立の時代
モスクワ国家の時代
「動乱」とロマノフ朝の始まり
ロシア帝国の成立
ロシア帝国の発展
ロシア帝国の動揺
ロシア革命とソ連邦の成立
スターリンと社会主義体制の発展
社会主義体制の変貌・熟成・停滞
ペレストロイカの時代
ロシア連邦
著者等紹介
和田春樹[ワダハルキ]
1938年生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。現在、東京大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
№9
32
ロシアがスラブ人の国でありながら、ロシアという国名の語源が「ルース」であり、その意味は「ノルマン人に征服された国」というんだなんて、のっけから驚かされる。確かにこの手の話しがヨーロッパには多いわけで、広大な大陸にあって多様な民族の織りなす歴史は実に混沌としたものだとしみじみ思う。また、日本が戦った日露戦争は帝政ロシアの崩壊の時期に重なり、日本の勝利がロシアの共産主義革命への大きな弾みとなっていたのにも複雑な思いも持つ。スターリンによる同胞への途方もない殺戮の上に成り立つ超大国への歩みも、唖然とさせられた。2014/06/27
双海(ふたみ)
9
ロシア史のレポートのために借りました。ご講義をいただいている教授が執筆されていますので安心して参照できました。2013/12/27
無識者
8
山川の高校の世界史Bのロシアのところだけ拾い読みをしていたが満足しなかったのでこちらを購入。世界史Bの教科書は端折りすぎてこれを読むと不正確なもののようにも思えてしまう。巻末に各省の参考文献をコメント付で載せていることがありがたい。ロシア革命は大きな希望を抱えての革命であったが実際にはそうはならなかった。それはどうしてなのかという部分の研究書(おそらく和田春樹の専門分野だろう)をもっとよみたい。2019/11/13
posmoda
3
ロシアの歴史は庶民の血と汗と涙で出来ている。本書はルーシ世界の成立からプーチン政権誕生までのロシア史を概説する。人口の大半を占めるアジア的農民たちは「お上救済」の感覚が抜けない。先進ヨーロッパ文明に惹かれる指導層というパロドキシカルな構造が統治機構を安定させず、政権交代が起こるたびに主体性を持たない被支配層が収奪されていく。その国力の割に政治がまったく安定しないことに驚いた。ソ連のあり方が共産主義の規範になったことは共産主義にとっても不幸なことであったように思う。あと英国が余計なことをしてない唯一の地域。2016/04/02
みか
1
ロシア文学を読んでいて、その時代背景をより詳しく知りたくなったので手に取りました。これ一冊で、ロシアの成り立ちからロマノフ王朝時代、ソ連崩壊までを学ぶことができます。充実しているのはロマノフ王朝時代です。ロシア文学史上、“黄金の時代”は帝国の動揺の時代だったということが分かりました。ロシア文学を読む時、手元に置いておくと便利でしょう。2008/04/09