内容説明
頭脳明晰、理性的だが、人間味に乏しくて、理屈っぽくて傲慢だ―科学者というなんとなく、こんな姿が浮かびやすい。科学とは、選ばれし非凡な人々が、長くて急な坂道を一気に上りつめていく活動だとも。だが、科学の営みの現実は、豊かな個性と施行錯誤に満ちている。トランジスタの生みの親として知られるショックレーも、「私は賢くないよ。私ほど失敗を繰り返した男は少ないんだ」と語っていた。…科学をいま見つめなおす。科学が身近になってくる。
目次
第1章 そもそも科学の方法は?
第2章 仕事の現場―研究の現場は芸術活動と似ている
第3章 二〇世紀という特別な時代
第4章 歴史と文化という背景
第5章 日本の戦後復興の教訓
第6章 科学の終わり?
著者等紹介
菊池誠[キクチマコト]
1925年、東京生まれ。1948年、東京大学理学部物理学科卒業。通産省電気試験所(現・独立行政法人産業技術総合研究所)に26年間、その後ソニーに常務・中央研究所所長として15年間在職し、一貫して、半導体とエレクトロニクスの基礎研究に携わる。89年より東海大学工学部教授、2000年より同・名誉客員教授。理学博士、米国ナショナル・アカデミー・オブ・エンジニアリング会員。『トランジスタ』(六月社、1959年・毎日出版文化賞)、『情報人間の時代』(実業之日本社、1970年・日本エッセイストクラブ賞)、『幸運な失敗』(日本放送出版協会、1972年・サンケイ児童出版文化賞)などの著書がある。1994年、神奈川文化賞受賞
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