目次
研究はメンタルゲーム
“愚かさ”の意味
トランジスタ誕生の秘密―そのドラマの展開
触発の条件づくり
メイルボーイの飛躍
逆境の中に本物が芽を出す
自然はときどき研究者に親切
失敗作をゴミ箱に捨てるな
二つの仕事で頭の活性化
半導体レーザー、初期のころ
理論の思い込みから新しい現象の発見
今日の仕事を明日にのばすな
ひねり出されたアイデア
ロバート・ホールの「実験」
若いエンジニアへの手紙P.S.
著者等紹介
菊池誠[キクチマコト]
1925年、東京生まれ。1948年、東京大学理学部物理学科卒業。通産省電気試験所(現・独立行政法人産業技術総合研究所)に26年間、その後ソニーに常務・中央研究所所長として15年間在職し、一貫して、半導体とエレクトロニクスの基礎研究に携わる。89年より東海大学工学部教授、2000年より同・名誉客員教授。理学博士、米国ナショナル・アカデミー・オブ・エンジニアリング会員。『トランジスタ』(六月社、1959年・毎日出版文化賞)、『情報人間の時代』(実業之日本社、1970年・日本エッセイストクラブ賞)、『幸運な失敗』(日本放送出版協会、1972年・サンケイ児童出版文化賞)などの著書がある。1994年、神奈川文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kenny
2
復習のために読み直しを行った。「考えることについてよく考えれば、考え方が進歩する」という文脈が非常に印象に残っている。考え方が進歩するという、感覚がまだ掴めていない。物事を深く考察することが出来ることを指しているのか、創意工夫することが容易になることなのか、複数の側面から考えることが出来るようになることなのか良く分からないが、自分なりの答えが出せるようにしたい。また、「実験」とは何かを思い出し、頭でっかちにならないように気を付けたい。2015/11/24
ぶひん
1
半導体研究の歴史の中心を見てきた著者が、バーディーンたちがどのような思いで研究を進めてきたのか豊富なエピソードと共に、読者の語りかけるスタイルで記した作品。実験結果を真摯に見つめ、理論との矛盾にこだわり、解決できるまだ諦めずに取り組み続けるのが大切であることが語られている。「研究とは楽しいものだ。楽しめていないなら取り組み方を間違えている。」というのが印象的であった。考えることを止めてはいけない。2016/02/28
開発室Graph
1
研究開発への姿勢や方法の例がたくさん書かれています.目的の結果を得るのはとても難しいですが,どうやって自然に向き合っていくのか,仲間との付き合い方はどうするのか,という点についても多く触れられています.筆者のアメリカでの経験について,半導体分野の新たな装置の発展について多く書かれていますが,特に専門知識は必要ありません.理系分野の研究開発を目指すのなら読んでおくといいと思います.2013/11/14
Chihiro Hamada
1
エンジニアとして常に熱意をもって仕事に挑もうと再認識した。エンジニアなら入社してすぐに読んでおくべき本だと思う。2012/04/30
小腸
0
トランジスタを開発したショックレーたちと働いていた著者から若いエンジニアへのメッセージ、かな。登場する研究者たちはみんな研究への情熱だとか好奇心が半端じゃない。若者へのメッセージなんだろうけど、ひえええものすごい私には無理じゃあ、と読んで思った。2017/07/30