内容説明
「第三世界」の新しい地域像を、地域研究者の視点から提示。フィールドワークに基づいてローカルな世界の構造やその変容をつぶさに捉えながら、同時にそれが、ナショナルな、あるいはグローバルな力との関係性の中でもたらされていることを検証する。
目次
第1部 「多声的地誌」への試み(パプアニューギニア、ブラックウォーターの人々の歴史と空間―自然との「調和」でもなく、外部への「従属」でもなく;ポストアパルトヘイトにおける南アフリカの都市―スクォッター社会からみたケープタウン;カンポンのジャカルタ―首都再編にさらされて;植民地化の歴史からみたマレーシア都市―「複合民族国家」の都市再編;変貌するフィリピン―近代化政策がもたらしたもの ほか)
第2部 地域研究から地誌・地理教育へ(モンゴル地域研究における記述革新―マルチメディアによる地誌記述の試み;インド農村の貧困と動態―地理教育の偏見とその克服;地誌と地理教育―日本の「地誌教育」は何をめざしてきたか?;地域研究と地誌を結ぶもの―再び地誌学を検討する)
著者等紹介
熊谷圭知[クマガイケイチ]
お茶の水女子大学文教育学部助教授。1954年生まれ。専門は、オセアニア(パプアニューギニア)地域研究、社会文化地理学。主な著書に、『マタンギ・パシフィカ―太平洋島嶼国の政治・社会変動―』(共編、1994、アジア経済研究所)、マリソン・マレー『ノーマネー・ノーハネー―ジャカルタの女露天商と売春婦たち―』(共訳、1994、木犀社)など
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