内容説明
現代人は薬なしでは生きられない。市場に出回っている薬は1万種以上。毎年世界中で何千もの新薬が開発されている。そして、病気を治すため、健康に過ごすため、薬は処方され、服用される。まさに薬は生命・健康と不可分だ。そんな薬はどうやって脳や心臓、血液、神経に作用するのか。なぜ副作用が起こるのか。身近にある薬が効くしくみを、エピソードを交えて紐解こう…。
目次
抗うつ剤―気分を高揚させ前向きな精神を生み出す魔法の薬?
アルツハイマー病治療薬―脳細胞の不可逆的崩壊を防ぐ薬はできるか
ステロイド剤―劇的な治療効果とやっかいな副作用が表裏をなす
頭痛薬―痛みをごまかす薬から痛みを消し去る薬へ
抗生物質―細菌を殺し、その増殖を抑えて病気の源を断つ
糖尿病治療薬―原因も対処法も異なる「1型糖尿病」と「2型糖尿病」
抗がん剤―がん細胞の分裂・増殖を遺伝子レベルでくい止める
てんかん治療薬―脳の神経細胞の過剰な興奮を抑える
インフルエンザ治療薬―タミフルは感染直後のウイルスの増殖を阻止する
アレルギー治療薬(抗ヒスタミン剤)―アレルギーを引き起こすヒスタミンのはたらきを抑える
エイズ治療薬―エイズウイルスの増殖を抑えて免疫系の完全崩壊を防ぐ
パーキンソン病治療薬―「L‐ドーパ」の問題点と新薬への期待
ピル(経口避妊薬)―世界標準から遅れた日本女性の抵抗感とピルの効用
モルヒネ―がん患者を耐え難い痛みから解放する最良の痛み止め
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shigoro
4
普段お世話になっている頭痛薬や抗生物質、話には良く聞くステロイド剤やモルヒネなど、14の代表的なクスリの効果や体への作用の仕方など、分かりやすく書いてある。クスリの欠点である副作用を改良しつつ、常に新化させ新薬を作り、寿命を延ばしてきた人類の歴史でも有る。不治の病であるガンやエイズなどでも今後への期待は高まるが、特許などの金の問題で、必要な人に行き渡らないようなのは問題でもあるな。 2011/09/16
hidepon
0
14の有名な病気に対する薬の働きが書かれていた。サマリーなのでわかりやすく興味深く読めた。薬について気になったら、手に取って見ると良いと思う。自分とは関係のない薬であっても。2017/01/14
phmchb
0
『メディア・バイアス』の次に読み終わりました。
yako
0
読みやすかったです。浅いことしか書かれてないけど、専門用語には説明がついてるし、図解が丁寧で軽い気持ちで読めました。日本におけるピルの問題は考えさせられました。2011/06/10
nuna
0
薬は普段あまり気にせず言われるがままに飲んでいることが多いけれど、どういう仕組みで効くのか分かるとより安心できる。思った以上に人体は複雑で絶妙なバランスの上に成り立っているのだなと実感。あと、筆者の一人がサイエンスライターの金子隆一さんだった2009/05/04