内容説明
日本で初めて社会学を講じたフェノロサと日本の社会学を構築した碩学、米田庄太郎・高田保馬・戸田貞三・松本潤一郎・鈴木栄太郎・有賀喜左衛門・新明正道をとりあげ、その研究業績の現代的意義を考察する。
目次
プロローグ Ernest F.Fenollosa研究
第1章 米田庄太郎
第2章 高田保馬
第3章 戸田貞三
第4章 松本潤一郎
第5章 鈴木栄太郎
第6章 有賀喜左衛門
第7章 新明正道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
3
オーソドックスな社会学の勉強をしても、日本の社会学の歴史に触れることは少ない。その点で、本書は戦前から戦後直後まで各論者ごとに要点が絞られていて勉強するにちょうどよい。導入期には社会学は「世態学」と呼ばれており、スペンサーの影響を受けた社会進化論を論ずるフェノロサが学問を主導した。やがて日本人の社会学者が登場する。米田床太郎は、当時欧米でも最新の潮流であった、コントの総合社会学批判に合流する見解を持ち、師タルドやジンメルの形式社会学の批判的普及を図った。弟子高田保馬もこうした向きでの理論的深化に貢献した。2022/01/24