内容説明
左前、左膳、左封じ、左巻き、左遷…右が吉で、左は凶。左を卑しめ右の優位を誇る文化が世界の大勢とされる中、稀有なる左優位の文化社会が、『古事記』の世の日本には存在した―。右・左という意想外に深遠なその意味を徹底的に探究する、ユニークで興味尽きない文化学。
目次
第1部 「右」と「左」の日本史を辿る(日本を特異な国とする「神代尚左」説;疑わしい九つの根拠;右と左をめぐる諸民族の文化誌;尚左神話の背景 ほか)
第2部 宇宙学としての左右学―ロジェ・カイヨワの『反対称』を中心に(学際研究を超える「対角線の科学」の必要;すべての分野の対称を視野におさめる;対称破壊と進化;反対称的力の存在 ほか)
著者等紹介
塚崎幹夫[ツカサキミキオ]
1930年、神戸市生まれ。1953年、京都大学文学部卒業。フランス文学専攻。富山大学名誉教授
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