宗教とグローバル市民社会―ロバート・ベラーとの対話

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000259750
  • NDC分類 161.3
  • Cコード C0010

出版社内容情報

貧困、環境危機、核、エネルギー問題等、世界規模の困難が人間の未来を脅かすなか、それに対処するための倫理的な連帯の基盤とは? 『徳川時代の宗教』『心の習慣』等で著名な宗教社会学の巨人ロバート・ベラー(1927-2013)と2012年秋に行われた対話の記録。孤立を深める日本への警鐘として、死の直前に書かれたベラーの序文も収録。

内容説明

人類にとって宗教の本質と役割とは何か。グローバル資本主義の猛威がもたらす貧困と格差、環境危機、核、エネルギー問題等、世界規模の困難が人間の未来を脅かすなか、それに対処するための倫理的な連帯の基盤をいかに見出し、育んでいくか。そして偏狭なナショナリズムが各国で勢いを増すいま、丸山眞男の比較ファシズム論から改めて何を学ぶか。本書は、アメリカの宗教社会学者、ロバート・N・ベラー(1927‐2013)と二〇一二年秋に行われた貴重な対話の記録である。孤立を深める日本への警鐘として、死の直前に書かれたベラーの序文も収録。

目次

1(グローバルな市民社会と市民宗教の可能性;世界市民宗教はいかに可能か)
2(進化・遊び・宗教―人類進化における宗教について;ベラーvs.ベラー―宗教をめぐるふたつの視点)
3(シンポジウム ファンタジーの世界に閉じこもってはいけない―環境危機と国際政治、そして人類の課題)
4(丸山眞男の比較ファシズム論;日本はどこにいるのか)
5(人類進化における宗教;「進化」と超越界の自立性―ロバート・ベラーの宗教論の到達地点)

著者等紹介

ベラー,ロバート・N.[ベラー,ロバートN.] [Bellah,Robert N.]
1927‐2013年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。ハーバード大学でタルコット・パーソンズに社会学を学ぶ。日本研究者として出発。ハーバード大学、カリフォルニア大学バークレー校で教授職を務める

島薗進[シマゾノススム]
1948年生。上智大学教授、東京大学名誉教授。宗教学、近代日本宗教史

奥村隆[オクムラタカシ]
1961年生。立教大学教授。社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

22
‘12年初出。グローバル資本主義がもたらす貧困と格差、環境危機、エネルギー問題。対処する倫理連帯をいかに育むか(表紙見返し)。著者は市民社会を事実上、公共圏と同義語として使おうと思うという(10頁)。市民社会は、政治問題の討議と擁護を志向しながらも、拘束力ある決定を下す能力を欠いていた(11頁)。ベラー教授は、世界の貧困は恥で、一握りの人が極めて金持ちになり、他の人たちを犠牲にすることは許されないという(102頁)。同感。 2015/01/09

うえ

4
ベラーの講演とそのリプライ等を含む論考集。島薗「儒教の「礼」は広い意味では儀礼であるが、むしろ日常生活の中に織り込まれ、身についた実践となることで聖なる力を発揮するはずのものだ。フィンガレットは、日常的な生活世界から独立した自由な主体の超越性との交わりを重視する、キリスト教的な世界観にこれを対置した。…「礼に宿る超越性」に現代的な宗教観の可能性を見て取っていた。このように日常の中でこそ聖性を発揮する「礼」の力は、ユダヤ教の律法、イスラムのシャーリア、ヒンドゥー教のダルマ、仏教の戒律にも共通するものだろう」2023/01/13

mittsko

3
宗教概念批判、ポスト世俗主義を拒否する、明らかに前世代の宗教論(最後の島薗論文を参照)から学ぶべきことはまだまだ多い、侮るなかれ… そのことがよくわかる一冊だ ※ 2012年秋、ベラーが訪日した際の講演等の記録(独での講演原稿一本も)。招聘に関わった日本側研究者らの論考を添えて書籍化されたもの。離日から一年と経ず、本書の翻訳編纂のさなか、ベラー逝去。文字どおりの絶筆。人望が厚く、研究意欲を最後まで保ちつづけた氏は、倫理的な問題意識に沿って独自の宗教学、宗教社会学を築きあげた。その最終段階がまさに本書2021/02/04

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

2
今、丸山眞男を読み直している。丸山の政治思想史における「宗教」の位置付をベラ-との比較において理解しようと。その時に問題となるのはベラ-自身の近代化論の変化と宗教概念の関係をどう理解するかにある。近代化が産業化と同義で捉えられていた時の統合価値的意味合いから道徳的意味合いの付与という線でいいのか否か。『社会変革と宗教倫理』を再読する必要があるが、その前にReligion in Human Evolutionが気になったので要旨だけ拾ってみようと本書を。日本には丸山、アメリカにはベラ-がいるんだなと改めて。2017/03/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8073034
  • ご注意事項