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岩波新書
ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来

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  • サイズ 新書判/ページ数 195p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311584
  • NDC分類 559.09
  • Cコード C0236

内容説明

テクノロジーが戦争を支える時代とは、「民需と軍需の境界」が曖昧になる時代である。現在、日本国内の労働はどのように戦争と関わっているか。それは九条改憲によってどう変わるのか。在日米軍基地、自衛隊、兵器産業、公務員、大学、農業…さまざまな「仕事」の現場から「戦争」を問うノンフィクション。日本の進路を考えるために。

目次

第1章 在日米軍基地という職場(鹿屋―進駐軍上陸地の碑;沖縄―求人広告の向こうに ほか)
第2章 「軍」と「民」のバリアフリー(ハイテクに支えられる兵器;派遣社員という迷路 ほか)
第3章 ものづくり立国の戦争(潜水艦と神戸港クルーズ;防衛秘密というカーテン ほか)
第4章 Switch(転換)=九条が消える日(航空―民間機の軍事利用;命を守るためなら ほか)
第5章 明日へのジグソーパズル(台風、戦争、そして雇用;三重に積みあげられた約束 ほか)

著者等紹介

島本慈子[シマモトヤスコ]
1951年10月大阪市に生まれる。1974年3月京都府立大学文学部卒業。「月刊奈良」「読売ライフ」編集部を経て、2001年フリーに。現在、ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

9
原発事故と米軍基地。危ない、いのちの危険に満ち溢れている点で共通する。確かに、米軍に雇われる日本人もいる(15頁)のも事実。しかし、原発や基地に頼らない産業興し、仕事興しは平和的にできたはずではないか。「一人の仕事が細分化」(28頁)されているというCさんの言説が最重要だと著者は強調される。これは、受験勉強でも重要であって、戦略があるとこういうふうになるのだろうと思わされた。全駐労三影氏曰く、「いつまでもあると思うな、親と基地」(31頁)は経験知だろう。労賃の出所。三菱重工の機密事項(78頁)。漏らさず。2013/08/01

たかまる

7
食べるために、知らず知らずの内に兵器の部品を作る仕事を担っている人がいる。好きで殺人の加担をしている人なんていない。部品が集まり一つの殺人兵器の出来上がり。もはやどんな知識も兵器への応用の可能性は免れない。そんな世界で尚新しい知識を追い求めるか。分業化された世界での労働の意味は。国家とは。2014/05/23

まゆ

6
遠隔操作で無人戦闘機を画面上で操縦し、相手からの攻撃を受けることなく戦闘任務を無事に終え、自宅に帰りテレビを見て家族との食事を楽しむ。これが米軍の事実。日本も米国と共に同じ方向を向くといずれ憲法9条がなくなりこんな日がくるかもしれないことを著者は危惧している。事実を知ることはこれからの日本を考える上で大切なことだと強く感じた。2014/10/21

横浜中華街2024

3
「世界で起きるマグニチュード6以上の地震は2割が日本で起きるんですよね」。日本は地形的に災害の多い国である。台風の通り道であるうえ、この地形ゆえに台風の影響も大きい。さらに、世界でもまれにみる地震多発国である。これは「防災白書」の「地震分布図」を見れば一目瞭然で、日本は国土全体を地震のリスクに覆われている。それに対してイギリスは地震の空白地帯だし、アメリカも西海岸に地震が集中している。日本は根本的に、アメリカやイギリスとは「地理的条件が違う」のだ。2012/02/12

satomohiko

3
戦争と労働との間に分業化や距離が離れると罪悪感がなくなる。また、使用者側もそのような働き方を労働者にさせ、仕事の目的も伝えない。特に非正規労働化が進むと、雇用や労働条件に不安があるので、どんな仕事であろうと疑問を持たないようになる。実に上手くできている。日米の軍事施設は一体いつからどのように計画されているのだろう?だまくらかされらる。そんな思いは消えないだろう。2014/03/08

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