出版社内容情報
科学は大きな転換期にある。もはや聖域ではなくなったこの巨大な社会資源を生かすために、何を受け継ぐか。科学に未来を託せるのか。宇宙物理学に半世紀携わってきた著者が科学の歴史を縦横に語り、発想の転換を促す。
内容説明
冷戦崩壊以来、科学は大きな転換期を迎えている。社会を巻き込んで突っ走る一方、科学技術創造立国政策の中で科学はリスキーな職業と化し、もはや聖域とも見られなくなった。この巨大な社会資源を生かすために、未来に受け継ぐべきものは何か。宇宙物理学に半世紀携わってきた著者が科学の歴史を縦横に語り、発想の転換を促す。
目次
第1章 転換期にある科学という制度
第2章 知的自由としての科学―啓蒙・ロマン・専門
第3章 科学者精神とは―マッハ対プランク
第4章 制度科学のエートス―ポパー対クーン
第5章 理の系譜―日本文化の中の科学
第6章 知的爽快―国家・教育・アカウンタビリティ
第7章 科学制度の規模―食っていけるのは何人か
第8章 科学技術エンタープライズで雇用拡大を
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年山形県生まれ。1960年京都大学理学部卒業。現在、京都大学名誉教授、甲南大学教授。専攻は理論物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
1
平成10年度科学白書によると、日本人の科学イメージでは、科学技術が発展しても我々の生活がより健康で快適なものとなるとは限らない、となっている▲近代科学はニュートン力学のようにイギリスが先行したが、やがてホットなジャンルが化学や電気や熱に移り、独仏がリードする。しかし、オックスブリッジでは引き続き教授の席を国教会の聖職者が占めていた。ダーウィンの進化論あたりで中産階級の科学者たちが聖職者を教授の席から追い出した。2016/11/13
おらひらお
1
2011年初版。職業としての科学の歴史的一冊です。僕の職業も普通とは毛色が違うので興味深くよみました。2016/03/07
オランジーナ@
1
科学史や科学哲学など興味深い内容が多かった。マッハについてもっと知りたくなった。参考文献も読んでいきたい。2015/04/06
oputy
1
研究者が大学に所属し、大学で研究するに至るまでの歴史を振り返る。日本は人口当たりの研究者数が世界一だが、非研究者との研究に関する考え方に隔たりがある。科学技術創造立国として日本が研究者を身近に感じさせるために果たす役割は何だろうか。2012/01/09
Tatsuo Mizouchi
0
☆☆☆ なんだろう? ちょっと期待外れ。うまく言えないけど・・・科学哲学の本を読んだほうが良かったかも。2017/09/24