内容説明
朝鮮では十七世紀から十九世紀にかけて、朴趾源・丁若〓(ちょう)ら実学者によって、新しい世を準備する構想が発表され、近代化がめざされた。しかし、列強ひしめく中でそれは挫折し、朝鮮は日本の植民地となった。このような過酷な時代とそこに生きた人々を描きながら、朝鮮と明治日本の関係の実像にせまる。エピソード満載の歴史物語。
目次
第1章 近代朝鮮の前夜―実学者たちの構想(英正時代―朝鮮王朝中興の名君;硬直化した朱子学に叛旗をひるがえした実学;地球は丸く、自転している―洪大容;すべての学問は民を豊かにするために―朴趾源・朴斉家;役に立たない学問は死んだ学問である―李〓(よく)・丁若〓(ちょう)
洗礼を受けた士大夫―キリスト教の浸透)
第2章 開国か、鎖国か―揺れる朝鮮半島(空白の八十年―正祖の急死と実学者の受難;常軌を逸した収奪と社会不安―民乱の時代;外国船現れる―大院君の鎖国政策の中で;清に翻弄される日本―朝鮮の内政に干渉)
第3章 日清戦争は日朝戦争として始まった―戦場は朝鮮だった(徹底した平等主義の農民軍―東学の創建;日本、清を戦争に引きずりこむ―豊島沖の海戦;農民軍の敗北と残党狩り―日常化する残虐行為;王宮に乱入した日本人―后妃・閔妃を殺害)
第4章 朝鮮王朝の落日―併合条約の締結(国王から皇帝へ―大韓帝国を宣言;日本の朝鮮支配への道―日露戦争から保護条約へ;抵抗する朝鮮の人々―愛国啓蒙運動と義兵運動;花電車で祝う日本人―朝鮮滅亡の日)
著者等紹介
金重明[キムチュンミョン]
1956年生まれ。小説家。著書『算学武芸帳』(1997年、朝日新聞社、第8回朝日新人文学賞受賞)、『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(2006年、新人物往来社、第30回歴史文学賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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