出版社内容情報
ヴェネツィアは、都市全体が美術の宝庫。建築や絵画を切り口に、その歴史と魅力を存分に紹介する。
内容説明
水の都ヴェネツィアは、たぐい稀な「美の都」でもある。千年以上にわたり独立を保ち「アドリア海の女王」と呼ばれた都市国家は、ティツィアーノらの天才画家を生み、ヨーロッパ中から一流芸術家が集まった。町のあちこちに息づき、いまも新しさを加えている建築や美術を切り口に、ヴェネツィアの歴史と魅力を存分に紹介する。
目次
第1章 曙光の海―ヴェネツィアの誕生 6~12世紀・初期中世
第2章 地中海制覇への道―共和国の発展 13~14世紀・ゴシック
第3章 黄金時代―絶頂期のヴェネツィア 15世紀・初期ルネサンス
第4章 爛熟の世紀―動乱のルネサンス 16世紀・盛期ルネサンス
第5章 衰退への道―バロックのヴェネツィア 17世紀・バロック
第6章 落日の輝き―ヴェネツィアの終焉 18世紀・後期バロック・ロココ
終章 生き続けるヴェネツィア
著者等紹介
宮下規久朗[ミヤシタキクロウ]
1963年愛知県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。現在、神戸大学大学院人文学研究科教授、美術史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
326
著者が愛してやまないヴェネツィアへの惜別の書。渾身のと言ってもいいと思う。ただし、新書1冊でヴェネツィア美術の通史を語るのだから、個々の画家や、絵に対する解説も堪能するというわけにはいかないだろう。あるいは、図像も小さく、時にはモノクロだったりもする。しかしながら私たちは、ここにベッリーニ、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼといったヴェネツィア絵画を代表する画家たちを一気に通覧することができる。そして、フィレンツェの画家たちとはまた違ったルネッサンスの姿をここに発見するのである。2016/09/29
KAZOO
108
ヴェネツィアについての美術を中心にしての歴史を振り返っていくような感じです。塩野さんの本が完全に歴史に視点を当てておられるのに比べこの本では様々な芸術家の作品が楽しめます。私も10日くらい滞在したことがありベッリーニやティチアーノの作品を中心としてほとんどヴェネツィアについては知っているつもりでしたが、まだ見過ごしたところがあったようです。再度訪問したくなりました。2017/07/30
どんぐり
65
13-14世紀のゴシック、14-16世紀のルネッサンス、17世紀のバロックの絵画を通じて知るヴェネツィアの1千年史。写真を見ながら読む美術史の本であるが、著者があとがきで記した〈私とヴェネツィア〉で、「ラグーナに流す我が子の遺骨には鷗集まり飛び立ちゆきぬ」と詠う、サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂の前の広場の階段からひと握りの遺骨を海に撒く姿が、琴線に触れる。この町のガイド書には、大竹昭子さんの『須賀敦子のヴェネツィア』もお勧めの一冊に挙げておきたい。2017/07/03
ぷれば
37
水の都ヴェネツィアの魅力をあますところなく紹介。千年以上にわたり独立を保ち「アドリア海の女王」と呼ばれた都市国家ヴェネツィア。ティツィアーノらの天才画家を多く生み、またヨーロッパ中から一流芸術家たちの集う町でもあった。自動車を遮断し、狭い路地と運河からなるヴェネツィアの歴史と美と魅力に圧倒される。 2016/08/04
マリリン
25
水の都というイメージがあるが、芸術文化の都というイメージも感じていたヴェネツィア。美しい絵画や建物・歴史等、著者が綴るヴェネツィア愛に溢れた歴史やは日常の雑念からしばし隔離してくれる。ジョルジョーネやテッツィアーノの作品、ヴェロネーゼの色彩の美しさは格別だった。当時の歴史に詳しければ、もっと楽しめたかもしれないものの約230㌻に書かれた内容だけでも充分満足できた。2018/09/19
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