講談社現代新書<br> スピリチュアルの冒険

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講談社現代新書
スピリチュアルの冒険

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498990
  • NDC分類 147
  • Cコード C0295

内容説明

なぜ人は霊性を求めるのか!?「スピリチュアルはお手軽な幸福への近道ではない。先人のスピリチュアリストたちの豊饒な霊的メッセージに、その言葉に、耳を傾ける、この世界が本来持つ深みに触れるための格好な入門書」。

目次

第1章 生命としての霊性(スピリットの語源;最初の冒険者;「霊」と「肉」は分けることはできるのか;「聖霊」と「精霊」の違い;カリスを受けた人々;ドストエフスキーの悪霊論)
第2章 日本のスピリチュアリスト(北村透谷の「恋愛」のスピリット;内村鑑三の霊的預言;鈴木大拙の日本的霊性;折口信夫と「神道」のスピリット)
第3章 文学のなかの霊性(埴谷雄高『死霊』―霊性のミステリー小説;椎名麟三―「神」の道化師;三島由紀夫『英霊の声』―日本の神霊;田中小実昌「アメン父」―聖霊と言葉の力)
第4章 二十世紀の神学と霊的闘争(「神の死」とカール・バルト;ナチズムという悪霊との戦い;「万人の霊的覚醒へ」―A・J ヘッシェルの言葉)

著者等紹介

富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957年、東京に生まれる。中央大学文学部フランス文学科卒業。在学中の79年に、「意識の暗室―埴谷雄高と三島由紀夫」で群像新人文学賞評論優秀作を受賞。文芸評論家。関東学院大学文学部比較文化学科教授、オピニオン誌「表現者」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

9
霊性思想のエッセンスと流れを、近代日本文学と思想から、またバルトを始めとした20世紀の神学から描く新書ではかなり珍しい入門書。タイトルがいかにもな危うい感じがあるが、年季の入った批評家で文章、思考ともにベター。むしろ江原的な偽スピリチュアリズムにたいしては、こちらの系譜の方が本道だと言うべきだろう。宗教的な文学、思想を読むための手ほどきとして、乾いた日常を再び満たし、聖化するヒントとして有益で、思想史、文学史としても興味深かった2012/06/01

nizimasu

8
スピリチュアルというと、宗教の横にある棚のイメージだけど、その語源は何なのか。霊性と訳されるけど、アミニズム的な精霊と一神教の中ではぐくまれた聖霊の概念の違いなどを扱いつつ、心身一元論や二元論も論じていく。煎じ詰めていくとスピリチュアルというのは、自分の内面をのぞきながらその声のようなものを聴いて行動や思考に転化していくプロセスをさすものらしい。日本でも内村鑑三や鈴木大拙なんかも取り上げつつ、文学における題材としても取り上げる。個人的には北村透谷が恋愛体験をスピリチュアルとして取り上げていたのが興味深い2015/07/26

スミス

4
「宗教」にとらわれることなく「霊性」に触れること。ドストエフスキー、埴谷雄高、田中小実昌、カール・バルト、ヘッシェル。 旧約聖書を単なるユダヤ人の歴史とみているうちは、聖書を「読んだ」ことにはならないこと。 ホロコーストは、歴史上繰り返されてきた大量虐殺とは、質的に全くことなること。 紹介された文献は全部読みたい。 タイトルでなんか誤解されそう。あと「香山リカさん絶賛」ていうのも・・・どんなもんだコレ?w よく知らないけど。2013/11/02

Liu Hachi

2
富岡氏は人が霊性に目覚める時、他者の苦しみや悲しみにたいする、この世界の困難や不条理に対する、深い関心が生まれると語っている。 氏の仰るとおりなら、霊性を失い、人の心に対し関心を失った状態は病める魂であると言えよう。つまり虚無、絶望ということなのだ。 愛の反対語は無関心であるとマザーテレサの言葉の意味を理解出来た様に思う。 2022/05/22

桔梗屋

2
文明に毒されたただの凡人である自分にとって「スピリット」という得体の知れないものを、確かに「ある」ものとして語れる人々が、洋の東西を問わず、人類の歴史のそこかしこに現れていること、それ自体が非常に興味深くて。そちらの組に入ることは、ま、たぶん生涯無いとしても「そういう人たち」の考えていること自体は、とても面白いと思うのです。読み終えて、理解できたのかどうか、と問われると、結構悩ましいところではありますが。パウロの回心一つとっても、エピソードとして理解しても、結局どういう「現象」なのか…ふんわりしてるねえ。2020/04/18

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