出版社内容情報
<真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。>
入江冬子(フユコ)、34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人といえるのは、仕事で付き合いのある出版社の校閲社員、石川聖(ヒジリ)のみ。ひっそりと静かに生きていた彼女は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束(ミツツカ)さんと出会う・・・。
あまりにも純粋な言葉が、光とともに降り注ぐ。
いま、ここにしか存在しない恋愛の究極を問う衝撃作。
~読者モニターから反響の声が届いています~
■川上さんが描く恋愛とはどんなものか。とても期待があった。そして期待は裏切られなかった。物語後半から一気に展開し、どんどん作品世界に引き込まれていく。自分は男性だけれども、多くの女性に読んで欲しい一冊である。(30代・男性)
■読んでいるとじわじわと私に浸透してある頃の懐かしさを思いおこさせてくれる物語。(40代・女性)
■彼女がゆっくりと彼を忘れるまでにとった行動に、私は自分でびっくりするほどの涙を流した(30代・女性)
■ときには暗闇に沈みたくなっても、自分が落ち着ける明るさに出逢えることがどれほど幸せか、それを想像しただけで満ち足りた気分になった。(20代・男性)
■この本は決して恋愛だけではなく、生きるうえで不可欠な人とのかかわりのなかで、「いかにおぼえていること」と「いかに忘れるか」の大切さを教えてくれた。すべての思い出と寄り添っていこうと感じさせてくれる、そんな一冊だった。(20代・女性)
■最後の最後まで読んだとき、すべてわかったような気がした。もちろん、すべてではないかもしれないが、「あぁ、なるほど」と思えたのだ。タイトルの意味、そして登場人物のゆくえ。哀しく、しかし、希望のある終わり方だったと思う。読み終わると綺麗な気持ちになっていた(10代・男性)
内容説明
孤独な魂がふれあったとき、切なさが生まれた。その哀しみはやがて、かけがえのない光となる。芥川賞作家が描く、人生にちりばめられた、儚いけれどそれだけがあれば生きていける光。『ヘヴン』の衝撃から二年。恋愛の究極を投げかける、著者渾身の長編小説。
著者等紹介
川上未映子[カワカミミエコ]
1976年8月29日、大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』が第一三七回芥川賞候補に。同年第一回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第一三八回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ、さされるわ そらええわ』で第一四回中原中也賞受賞。2010年『ヘヴン』で平成二一年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第二〇回紫式部文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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