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講談社現代新書
モスラの精神史

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  • サイズ 新書判/ページ数 283p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062879019
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0274

内容説明

なぜ蛾の姿なのか?あの歌の意味はなにか?ゴジラとどこが違うのか?多くの謎が、いま解き明かされる。

目次

プロローグ―モスラの飛んだ日
三人の原作者たち
モスラはなぜ蛾なのか
主人公はいったい誰か
インファント島と南方幻想
モスラ神話と安保条約
見世物にされた小美人と悪徳興行師
『モスラ』とインドネシア
小河内ダムから出現したわけ
国会議事堂か、東京タワーか
同盟国を襲うモスラ
平和主義と大阪万博
後継者としての王蟲

著者等紹介

小野俊太郎[オノシュンタロウ]
1959年札幌生まれ。文芸評論家。文化現象としての映画や文学の関連を考えている。成城大学大学院博士後期課程単位取得中退。成蹊大学などで教える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

120
サザエさんの『磯野家の謎』的な本かと思ってたから、ちょっと違った(^^;)読んでて、堅苦しいし、何度も寝オチしたし…。ちなみにモスラの映画を見てないから、少しの知識しかないし…(笑)原作があり、3人の純文学作家による合作だったんですね。なんとなくであるが、モスラ制作時の、日本の歴史、政治、あるいは文化といった時代背景を垣間見た気はします(^^)宮崎駿とのつながりには一理あると感じました。モスラによっぽど興味ないと、この作品は頭に?がいっぱい浮かびチンプンカンプンになります。2017/06/25

Bugsy Malone

69
3人の純文学小説家の連作による原作を元に第一級の娯楽作品として誕生した「モスラ」。何故蝶ではなく蛾なのか?当時の社会的背景と原作者達の意図、原作を変更した制作側の事情から日本の民族性までも考察し、怪獣として稀有な存在のモスラを紐解く。先日読んだ「ゴジラの精神史」同様、共感する部分そしてまた、穿ちすぎではと思う部分も含め、大変面白く読ませていただきました。そして何より怪獣に真面目に取り組んだこのような本が読めるという喜びが。まだ著作として大魔神もガメラも控えている故、楽しみにしております。2019/10/20

hit4papa

57
存在感はあるものの、迫力不足が否めない怪獣モスラ。本書はモスラにスポットをあて、その成立から概観することにより、日本人としての魂に触れていこうとするものです。モスラの原作が三人の純文学者の手によるものであることは驚きですが、映画作りに当時のあらゆる才能が結集していたことがわかります。何故、蛾なのか、主人公は誰なのかといった謎を解き明かし、原作と映画を対比しながら論を進めています。枝葉にいきすぎたり、独善的な意見が見られるものの、総じて納得性があり、関わった人々の強い思いや矜持を感じることができるでしょう。2017/04/15

goro@80.7

49
「モスラ」からこれだけ知的好奇心を満足させられる評論を纏めるとは脱帽ものでありました。原作を書いた中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の発想と映画にまとめた脚本の関沢、本多猪四郎監督、円谷英二の特技と相まって唯一無二の作品になったんだな。モスラ神話を起こし小美人は母(女神)であり、母を助けるためだけにやってくる。なぜ蛾なのか?などなど氏の論は思わず頷いてしまう。DVD借りて見直してしまいました。「モスラ」に興味が無い人にはお薦めしませんが60年代の時代がつまった好著だと思います。海で攻撃された死んだと→2016/06/23

南北

46
1961年公開の映画「モスラ」は原作者が純文学作家の中村真一郎・福永武彦・堀田善衛、監督が本多猪四郎、特撮が円谷英二、脚本が関沢新一、音楽が古関裕而など錚錚たるメンバーが結集して作られた作品です。俳優もフランキー堺やジェリー伊藤などなつかしい人たちが出演しています。現在では戦前と戦後が切り離された時代のように考えられていますが、戦前から戦後にかけての連続性が感じられたり、当時の国際情勢も色濃く反映した作品となっています。原作小説と映像作品とで異なる点やそのまま採用された点などは興味深く感じました。2019/11/28

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