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講談社現代新書
日本人の“原罪”

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062879750
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0210

内容説明

イザナキ・イザナミの神話に示された「罪」と「恥」を読む。

目次

第1章 愛する者を「害する」こと―父神イザナキの罪悪感(神話と昔話の深層心理学;エディプス・コンプレックスとは何か;フロイトの「弟殺し」;革新的なクライン理論;「見るなの禁止」の文化;見る側を見る;「ここだけの罪」;悲劇の同定;逃げないイザナキ;「見るなの禁止」が解禁されるとき;神話を生き直すこと)
第2章 『古事記』神話への道案内(古事記上巻の世界;日本神話のなかの「見るなの禁止」;タブーを破った“罪”の行方)
第3章 『古事記』を読み解く―現代語訳「古事記抄」(イザナキ・イザナミ神話と「見るなの禁止」;アマテラスとスサノヲ;成長するオオクニヌシの国造り;天孫降臨と海幸彦・山幸彦神話)
第4章 対談 今日を生きるための神話論

著者等紹介

北山修[キタヤマオサム]
1946年淡路島生まれ。京都府立医科大学卒業後、英国モーズレイ病院およびロンドン大学精神医学研究所で研修、帰国後、北山医院(現南青山心理相談室)院長。現在、九州大学大学院人間環境学研究院教授、国際協会精神分析医。専門は精神分析学

橋本雅之[ハシモトマサユキ]
1957年大阪市生まれ。皇學館大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、皇學館大学社会福祉学部教授。専門は国文学、神話学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

129
日本人の民族性を精神分析的な見地から分析したものだと思います。北山先生だけではやはり無理なので、古事記など日本の神道などに詳しい橋本先生との共著になっています。とくに橋本先生の古事記にかかわる部分は興味深く原本を読んで診たい気にさせてくれます。お二人の本当のいいたいことは語りつくせていないとは思いますので続編などを期待したいのですが。2016/06/06

あんこ

10
「見ちゃだめなんだからね!」日本の昔話、神話に出てくるあれが、日本人のこころに影響を与えているという。黄泉の国を訪れたイザナキは自分から行ったのに、ケガレだと言い、禊しちゃったもんね。約束を破ったのにその罪は問われてない。日本人の「水に流す」はまさにここから。では、問題を残さないためには、イザナキはどうすればよかったのか。古事記を題材にした精神分析が面白かった。2017/01/06

おおかみ

9
イザナキ・イザナミ神話をはじめ、山幸彦神話や『夕鶴』など、日本古来の物語には主人公が「見るなの禁止」のルールを破ったばかりに悲劇的な結末を迎えるものが多いが、見られた側の「恥」ばかりがこれまで論じられてきたという。そこで、精神分析学と国文学・神話学という学際的なアプローチによって見た側の「罪」を問題にしたのが本書。日本人は、自分たちが抱く「罪意識」について無自覚だと主張する。飛躍しているように感じる部分もあるし、本の構成も難ありだが、本書のテーマは確かに興味深く、重要な知見に満ちていると思う。2010/05/05

bouhito

4
北山修というと、私のようなミーハー人間には、フォーク・クルセダーズの人という印象が強いが、本書では「帰って来たヨッパライ」が精神分析家・北山修によって解説されていて面白い。なるほど、天国という異界でどんちゃん騒ぎをして、「出て行け―」と現世に戻される様は、日本神話的でもあるし、浦島太郎をはじめとした昔話的でもある。「見るなの禁止」というキーワードをもとに、「見られる側の恥」と「見てしまった側の罪」、特に後者についての解析がなされる。2016/03/06

こたつ

3
ダイジェスト版に近い内容だったが、説としては非常に興味深かった。河合氏の「禁止を侵された側の恥」の心理の考察については以前読んだので、反対側の「侵してしまった側の幻滅と罪悪感」という、昔話・神話のなかでも取り扱われない心理を取り上げているのが斬新な切り口である。両氏の別の著作も是非読んでみたい。2014/05/05

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