講談社現代新書<br> 中国共産党の経済政策

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講談社現代新書
中国共産党の経済政策

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  • サイズ 新書判/ページ数 321p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881845
  • NDC分類 332.22
  • Cコード C0236

出版社内容情報

習近平時代に世界一の経済大国となる中国。独自の「政経一体システム」で走り続ける隣国の真実を第一線のウォッチャーが解剖する。

2012年11月の第18回党大会で、習近平が胡錦涛に替わり党総書記に就任。
2013年3月には政府人事も決まり、いよいよ本格的な習体制がスタートする。
その中国はいわずとしれた共産党一党独裁国家。
党の指導は政治のみならず経済社会のすみずみにまで及ぶ。
これは中国共産党の経済政策を知らずして、
中国の経済を知ることはできないということを意味する。
今後も共産党政権は存続するのか?
その鍵はずばり「経済運営で失敗しないこと」にある。
政治的自由に対する不満、格差に対する不満、民主的な要求はたしかに存在しているが、
今後もそこそこの経済成長が維持され、徐々に国民が豊かになっていけば、
国民の不満が爆発して政権を揺るがすところまではいかないだろう。
しかし仮に共産党が経済運営に失敗し、
いま以上格差だけが広がったとすれば。
そして国民の多くが明日への希望を持てなくなる日が来れば。
それは即政権の危機を意味する。
中国の経済がどうなるかは、すでに経済的に深い相互依存関係にある日本にとっても他人事ではすまない。
良くも悪くもこれからも隣の経済大国とどう付き合って、
日本にとって利益をもたらすことができるのか?
これが日本の将来に大きな影響を与えるだろう。  
本書は、財務省から中国大使館に4年間出向し、
党・政府内の政策決定過程を含め、
中国経済をつぶさに見てきた著者だからこそ書けた、
中国経済のいまとこれからを知るための第一級のレポートである。

【著者紹介】
1969年岩手県葛巻町生まれ。92年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。96年米国スタンフォード大学修士課程修了。金融庁監督局課長補佐、財務省主計局主査等を経て、2008年から12年まで在中国日本国大使館経済部参事官。現在財務省理財局総務課調査室長。著書に『チャイナ・インパクト』(中央公論新社)の他、中国経済に関する論文寄稿多数。

内容説明

中国の政策決定過程を深く知る財務官僚が習近平政権の経済を徹底分析。関係が緊張するなか、日本は最大の貿易相手国とどのように付き合っていくべきか。そのヒントを示す。

目次

第1部 国家指導者人事(習近平と中国共産党;李克強と中国政府人事)
第2部 経済政策(四兆元の内需拡大策;習近平時代の経済政策―量から質へ;習近平時代の人民元)
第3部 米中逆転と日本(米中逆転―中国経済の成長は続く;日中経済の今後)

著者等紹介

柴田聡[シバタサトル]
1969年岩手県葛巻町生まれ。92年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。96年米国スタンフォード大学大学院修士課程修了。金融庁監督局課長補佐、財務省主計局主査等を経て、2008年から12年まで在中国日本国大使館経済部参事官。12年7月より財務省理財局総務課調査室長。中国経済に関する論文寄稿多数

長谷川貴弘[ハセガワタカヒロ]
1972年福島県伊達市生まれ。95年東北学院大学経済学部卒、2003年東北学院大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。東北学院大学非常勤講師などを経て、2008年8月より在中国日本国大使館経済部専門調査員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字の旅遊人

9
今やこの内容を超えている。

Nosuke.M

6
前半で中国共産党の組織・システムについて詳細に説明されており,階級闘争の熾烈さについて良く学べる。後半は中国経済の成長潜在力について説明が続くが、本作が上梓された2012年から現在まで中国は世界一のGDPは未達。著者は中国の一党独裁による政策決定実行までのスピード感を強みとして挙げているが、そこには国有企業と共産党との癒着は避けられ無いだろうし、革新的な技術革新が生まれる土壌は醸成されないだろう。瞬間風速的には抜かせても,自由な市場で切磋琢磨が繰り返される米国には最終的には敵わないだろうと感じた。2020/07/18

kyomi

2
中国の政経一体システムを習近平体制初期の人事と経済の観点からわかりやすく説明。政治リスクはあるものの、市場としての魅力は大きく、日中間の相互依存関係もより深めていく方向なのだろう。32016/09/29

むとうさん

2
習近平時代に突入することを踏まえて、中国はこれからどこへ向かうのか。タイトルがミソで、「中国共産党の」経済政策なのだ。決して「中華人民共和国(中国)の」経済政策ではないということ。共産党内のポスト争いや人脈といった概念をきちんと理解しないといけなくて、その辺をしっかりと最初に書いているのはありがたい。基本的に今後の中国についてはやや楽観的かなという印象。ソ連(社会主義)の二の舞にならなければいいけれど。全体として新発見の詰まった本というわけではないが、問題点の整理などですっきりした良書だろう。2013/03/08

Keisuke Hosoi

1
最近の中国の経済政策の動向が、財政/金融/人民元政策等に分けて分かりやすく解説されているように思いますが、財務省出身者だけにミクロ的な経済政策というか産業育成政策(picking-winner的なそれ)みたいなものについて評価が低い・言及が軽すぎるような気がします。あと中国に入れ込んだ著者だけに、中国経済への見通しの楽観的な感じはセカンドオピニオンと現地での肌感覚との比較対照を要すると思いました。2013/02/05

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