講談社現代新書<br> 愛と狂瀾のメリークリスマス―なぜ異教徒の祭典が日本化したのか

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講談社現代新書
愛と狂瀾のメリークリスマス―なぜ異教徒の祭典が日本化したのか

  • 堀井 憲一郎【著】
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  • 講談社(2017/10発売)
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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062884013
  • NDC分類 386
  • Cコード C0236

出版社内容情報

なぜキリスト教信者ではない日本人にとっても、クリスマスは特別行事なのか?膨大な資料を調べ尽くして見えた「日本クリスマス史」! あなたは、ふしぎに思ったことがないだろうか?

 「なぜ日本人は、キリスト教信者でもないのに、クリスマスを特別行事と見なして、毎年毎年、あんなに大騒ぎするんだろう?」


 本書は、「日本におけるクリスマス祝祭の歴史」を丹念に追いながら、この謎に迫ってゆくスリリングな教養書である。1549年のキリスト教伝来から始まる「降誕祭」の様子を、史料から細かく辿っていった。

 実際に辿ってみると、「クリスマスにおける狂瀾」は、明治時代から始まったことがわかる。現在の、「恋人たちのクリスマス」は、明治の馬鹿騒ぎの流れの末にある、と考えられるのだ。そしてその、恋人たちのクリスマスのルーツは、実は、日露戦争の勝利にあることにも気づくだろう。

 本書を読み進めるとやがて、「日本のクリスマス大騒ぎ」というものが、力で押してくるキリスト教文化の厄介な侵入を――彼らを怒らせることなく――防ぎ、やり過ごしていくための、「日本人ならではの知恵」だったのか! と納得するであろう。「恋人たちのクリスマス」という逸脱も、その「知恵」の延長線上にあったのである。

 さあ、キリスト教伝来500年史を辿り、クリスマスをめぐる極上の「日本史ミステリー」を味わってみましょう。


<目次>
序  火あぶりにされたサンタクロース
1章 なぜ12月25日になったのか
2章 戦国日本のまじめなクリスマス
3章 隠れた人と流された人の江戸クリスマス
4章 明治新政府はキリスト教を許さない
5章  「他者の物珍しい祭り」だった明治前期
6章 クリスマス馬鹿騒ぎは1906年から始まった
7章 どんどん華やかになってゆく大正年間
8章 クリスマスイブを踊り抜く昭和初期
9章 戦時下の日本人はクリスマスをどう過ごしたか
10章 敗戦国日本は、狂瀾する
11章 戦前の騒ぎを語らぬふしぎ
12章 高度成長期の男たちは、家に帰っていった
13章 1970年代、鎮まる男、跳ねる女
14章 恋する男は「ロマンチック」を強いられる
15章 ロマンチック戦線から離脱する若者たち
終章 日本とキリスト教はそれぞれを侵さない

序  火あぶりにされたサンタクロース
レヴィ=ストロースの見解/資本主義的クリスマスのアイコン ほか
1章 なぜ12月25日になったのか
いつ生まれたかはわからない/テオドシウスははめられた ほか
2章 戦国日本のまじめなクリスマス
ザビエルの布教/京都での布教活動/信長と秀吉の教え ほか
3章 隠れた人と流された人の江戸クリスマス
鎖国の真実/漂流者たちの見聞 ほか
4章 明治新政府はキリスト教を許さない
あくまで黙許/大日本帝国憲法28条の真意 ほか
5章  「他者の物珍しい祭り」だった明治前期
神田祭のような気持ちで/千人にのし餅を配る
6章 クリスマス馬鹿騒ぎは1906年から始まった
少女作家のクリスマス小説/教会での軍歌/余興に落語や講談 ほか
7章 どんどん華やかになってゆく大正年間
日光東照宮の飾りの中に/クリスマス休戦
8章 クリスマスイブを踊り抜く昭和初期
クリスマスの夜に汚物をまく/満州事変くらいでは熱狂はおさまらない ほか
9章 戦時下の日本人はクリスマスをどう過ごしたか
8年間の異様な時期/警視庁の取り締まり宣言/「小癪なXマスの贈物」 ほか
10章 敗戦国日本は、狂瀾する
明確な乱痴気騒ぎ/天声人語の苦言/「一夜あければ『よごれし、この朝』」 ほか
11章 戦前の騒ぎを語らぬふしぎ
ひとつの人格の裏表/キリスト教徒ではないから、騒ぐ ほか
12章 高度成長期の男たちは、家に帰っていった
ホームクリスマスが盛んに/イブに起きた新宿ツリー爆弾事件 ほか
13章 1970年代、鎮まる男、跳ねる女
消費の主体は男性から女性へ/子供向けイベントへの収束 ほか
14章 恋する男は「ロマンチック」を強いられる
「アンノン族」の登場と新しい消費/「キラキラした部分」が好き ほか
15章 ロマンチック戦線から離脱する若者たち
クリスマス・ファシズム/騒ぎの鎮静化とハロウィン ほか
終章 日本とキリスト教はそれぞれを侵さない


堀井 憲一郎[ホリイ ケンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

キリスト教伝来500年史から読み解く極上の「日本史ミステリー」。

目次

火あぶりにされたサンタクロース
なぜ12月25日になったのか
戦国日本のまじめなクリスマス
隠れた人と流された人の江戸クリスマス
明治新政府はキリスト教を許さない
“他者の物珍しい祭り”だった明治前期
クリスマス馬鹿騒ぎは1906年から始まった
どんどん華やかになってゆく大正年間
クリスマスイブを踊り抜く昭和初期
戦時下の日本人はクリスマスをどう過ごしたか
敗戦国日本は、狂瀾する
戦前の騒ぎを語らぬふしぎ
高度成長期の男たちは、家に帰っていった
1970年代、鎮まる男、跳ねる女
恋する男は「ロマンチック」を強いられる
ロマンチック戦線から離脱する若者たち
日本とキリスト教はそれぞれを侵さない

著者等紹介

堀井憲一郎[ホリイケンイチロウ]
1958年生まれ。京都市出身のコラムニスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

325
冒頭はディジョン大聖堂でのサンタクロースの火あぶりというセンセーショナルな始まり。これにレヴィ・ストロースの権威が付いている。全体のトーンはアカデミックなものではなく大いに主観的。もっとも、1549年のザビエルにはじまり、江戸期の禁教時代を経て近代にいたるまでのキリスト教受容史は、内面の問題を問わなければよく整理されている。また、本書で初めて知ったことも多い。例えば、昭和初期にすでに日本では狂瀾のクリスマスが演じられていたことなど。クリスマスは戦後のアメリカ文化の奔流に乗ってやってきたとばかり思っていた。2017/12/17

青蓮

99
読友さんの感想より。常々思っていた「なぜクリスマスは恋人と過ごすのか?」という疑問を抱いており、それへの回答が知りたくて読みました。本書では女性誌「an・an」「non・no」が仕掛けたロマンチック革命だと解説しています。そもそもクリスマスを祝う風習は(中身は現代とは全く違う姿ですが)キリスト教の宣教師が日本にやってきた時代から存在したらしい。日本におけるキリスト教の立ち位置や、なぜクリスマスだけが定着して宗教は根付かなかったのかを歴史的事実を踏まえて解りやすく解説していて大変勉強になりました。2017/12/21

おかむら

42
日本のクリスマスをめぐる世相風俗史。これは面白かった! キリスト教と関係なくただ盛り上がって騒ぐ日の起源がなんと日露戦争に勝ったあたり(1906年)からだとは! 昭和初期の乱痴気騒ぎ、戦時下を挟んで戦後すぐにまた乱痴気騒ぎ、高度経済成長期のホームクリスマス、バブル期の恋人たちのクリスマス、最近のハロウィンに負けてる状況まで。戦前のクリスマスがカフェーやダンスホールでおじさんたちが大はしゃぎってのがビックリだ! あと大正天皇が亡くなったのが12月25日なので戦前は祭日だったとか! 2017/11/14

たこやき

17
毎年、日本で大騒ぎをするクリスマス。しかし、日本でその意味を知っている人は少ない。なぜ、日本とクリスマスの関係性について、歴史を紐解いた書。そもそも、キリスト教以前から、この時期に祭があり、それと結びついたのではないか? という前史。また明治維新後、なし崩しにキリスト教が入る中での様子は興味深かった。当初、キリスト教が入ったとき、帝国ホテルで行われたパーティ。そのイベントでは、講談師や落語家が……って(笑) ただ、近年の男女のイベントになったところ、そして、キリスト教を日本に入れないため、はちょっと強引。2018/05/09

もんらっしぇ

16
本来キリスト教の祝祭日であるクリスマスに無縁の日本人が一体全体なぜこんなに大騒ぎをするのか?という疑問がずーっと自分の中にありました…余計なお世話かもしれませんけどw 結局クリスマスの過剰な祝祭化は「資本主義の本質的な問題」ですね。アメリカ的なそしてとても日本的でもあるクリスマスは遅れてきた資本主義国ならではの祝祭。中世的権威を無視しそれが世界中で受け入れられその象徴がサンタクロースの存在ではないかと。結局資本主義国であるかぎりは宗教とは関係なくこれからもクリスマスを祝わなければならないのでしょうね…2019/12/24

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