出版社内容情報
人類は「生命の謎」とどう格闘してきたか。古代ギリシャの自然観から近代の進化論、現代の分子生物学まで、SF作家による科学啓蒙書『われはロボット』『黒後家蜘蛛の会』などのSF作品やミステリーで世界中に読者をもつアイザック・アシモフは、作家であると同時に、ボストン大学医学部の教授を務め、生化学の研究者として多くの一般向け科学啓蒙書も著している。
本書は、アメリカの自然史博物館が出版したAmerican Museum Science Books という叢書の1冊として刊行された。
生物学は、生命についての関心から始まり、古代より長い歴史を持つが、博物学や医術、遺伝学や化学のあいだで揺れ動き、自然科学の一分野として体系がまとまり大きな進歩をとげたのは、20世紀に入ってからだった。特に20世紀後半の分子レベルで生命現象を捉える研究は日進月歩である。
こうした、長く、広範、複雑な生物学の歩みを、一人の著者が簡潔にまとめあげるのは至難の業だが、アシモフの博学と文才はそれをなんなくこなしている。
生命と非生命の境目はなにか。人類は生命の謎にいかに取り組んできたか。いま最も熱い学問分野の基礎知識を整理した、恰好の生物学入門書。
〔原本:『生物学小史』(「アシモフ選集」生物編1)、1969年、共立出版刊。 原著:A Short History of Biology, 1964〕
訳者まえがき
第一章 古代の生物学
科学のはじまり/イオニア/アテネ/アレキサンドリア/ローマ
第二章 中世の生物学
暗黒時代/ルネッサンス/過渡期
第三章 現代生物学の誕生
新しい解剖学/血液の循環/生化学のはじまり/顕微鏡
第四章 生物の分類
自然発生/種を配列すること/進化への接近/地質学的背景
第五章 化合物と細胞
気体と生物/有機化合物/組織と胚
第六章 進 化
自然選択/進化をめぐる争い/人間の進化/進化の支流
第七章 遺伝学のはじまり
ダーウィン説の欠陥/メンデルのエンドウ/突然変異/染色体
第八章 生気論の衰微
窒素と食物/熱量測定/発酵/酵素
第九章 病気との闘い
種痘/病気の胚種説/細菌学/コン虫類/食物因子/ビタミン
第一〇章 神経系
催眠術/神経と脳/行動/神経電位
第一一章 血 液
ホルモン/血清学/血液型/ウイルス病/アレルギー
第一二章 物質交代
化学療法/抗生物質と殺虫剤/物質交代の中間物質/放射性同位元素
第一三章 分子生物学――タンパク質
酵素と助酵素/電気泳動とX線回折/クロマトグラフィー/アミノ酸配列
第一四章 分子生物学――核酸
ウイルスと遺伝子/DNAの重要性/核酸の構造/遺伝暗号/生命の起源
アイザック・アシモフ[アイザック アシモフ]
著・文・その他
太田 次郎[オオタ ジロウ]
翻訳
内容説明
人類は「生命の謎」とどう向き合ってきたか。古代ギリシャ以来、博物学・解剖学・遺伝学・化学・進化論などの間で揺れ動き、二〇世紀にようやく科学として体系を成した生物学の歴史。『われはロボット』『黒後家蜘蛛の会』などのSFやミステリー作品で知られる生化学者・アシモフが博識と文才を存分に発揮し、その長く複雑な歩みをやさしく描き出す。
目次
古代の生物学
中世の生物学
現代生物学の誕生
生物の分類
化合物と細胞
進化
遺伝学の始まり
生気論の衰微
病気との闘い
神経系
血液
物質代謝
分子生物学―タンパク質
分子生物学―核酸
著者等紹介
アシモフ,アイザック[アシモフ,アイザック] [Asimov,Isaac]
1920‐1992。アメリカの作家、生化学者
太田次郎[オオタジロウ]
1925年生まれ。東京大学理学部卒。専攻は細胞生物学。お茶の水女子大学教授、学長等を経て、同大名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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