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出版社内容情報
松浦 壮[マツウラ ソウ]
著・文・その他
内容説明
「量子は、粒子なのか波なのか」―長らく続いていたこの論争は、「量子は、粒子でも波でもない何かである」という予想外の結論に至りました。直感では理解しがたくても、この世はすべて量子でできています。行列力学、波動力学、経路積分…様々な方法を経て、量子の世界が「見える」ようになるまで、まっすぐに、けれども徹底的にやさしく、丁寧に解説。
目次
第1章 「古典」の世界観
第2章 量子の発見
第3章 光も電子も量子だからこそ
第4章 量子の世界へ
第5章 量子の群像
第6章 量子が織りなす物質世界
第7章 量子は時空を超えて
第8章 宇宙の計算機―量子コンピュータ
著者等紹介
松浦壮[マツウラソウ]
1974年生まれ。1998年、京都大学理学部卒業。2003年、京都大学大学院で博士号(理学)を取得。その後、素粒子物理学者として日本、デンマーク、ポーランドの研究機関を渡り歩き、2009年、慶應義塾大学商学部勤務、2016年から同大学教授。研究テーマは、超弦理論と数値シミュレーションによる超対称ゲージ理論の解析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
35
前作『時間とはなんだろう』と比べ、難解だった。頑張って第6章「量子が織りなす物質世界」に到達し、何かが開けた。人間が認識できる世界が、全世界のごく一部に過ぎないことは知っているつもりだったが、それをより分からせてくれたような気がする。あとがきによれば、量子力学とは、ファインマンが「理解している人など誰もいない」と発言し、大学では「意味は深く考えずにひたすら計算せよ」と推奨されるものであり、到底この1冊で分かるものではない。が、著者のいう「量子の理が人の直感を支える時代」に備えてもっと勉強しようと思った。2021/06/22
寝落ち6段
16
感覚的に、そんなことあるわけないじゃあないか、と言いたくなってしまう量子の動き。観測しても、違う動きをして、果たしてこの世界はこんな不確定なものによって成り立っているなんて思えない。だが、身の回りの全て物は量子から成り立っており、なんていったって人間自身が量子の塊なのだという事実。前にシュレディンガーの方程式の表す「ゆらぎ」という考え方に衝撃を覚えたことを思い出す。量子の研究が進むからこそ、私たちの生活が飛躍的発展を遂げていく。完全に理解できなくても、世界はこんな面白いもので成り立っているのだと感動する。2023/01/05
J
11
★★★☆☆ 量子を理解するためには我々の直感から変える必要があると著者は言う。丁寧に説明しようとしているが、式も多くかなり難しい。しかし、昔学生時代に習った単語が出てきてとても懐かしかった。ハミルトニアン、エルミート、クロネッカーのデルタなどなど。不確定性原理の証明もあるが当時、習った時に衝撃を受けた記憶がある。今では式を追う気にもならないがそれでもうっすらとわかったような気になって嬉しかった。巻末の参考図書も読んでみたいと思う。2022/12/18
HaruNuevo
10
おそらくほんの少しだけ、量子論のカラクリについて、ほんの少しだけ理解が進んだかも。 今まで読んだ量子論の本の中では、一番興味を維持しながら読める本だった。 でもね、やはり難しいわ。2021/07/24
なおじん
10
量子の存在を認め理解することで、今の自分が信じている世界の見え方が変わり、悟りを論理的に説明できるのだと思います。でも私はまだまだ理解が追いついていないので、何度か読み返してみようと思います。2021/02/23