出版社内容情報
日本の近世(江戸時代)は、「鎖国」だったとみなされてきた。日本は200年以上にわたって、一部の例外を除いて外国との付き合いを絶ち、国を閉ざしてきたという、「鎖国」史観といわれるものである。しかし本書の著者ロナルド・トビ氏は、それは対西洋に限った偏った見方に過ぎず、実際には日本は近世を通じて中国・朝鮮など東アジア世界と密接に繋がっていることを以前から指摘してきた。トビ氏によれば、近世日本の外交方針は決して「国を閉ざす」という消極的なものではなく、みずからの構想のもと主体的に選択したものだったという。そんなトビ氏が描き出す、従来の「鎖国」史観にとらわれない、新しい近世像。
ロナルド・トビ[ロナルドトビ]
著・文・その他
内容説明
江戸幕府の外交はなぜ「鎖国」と呼ばれてきたのか。歴史が未来を切り拓く。
目次
第1章 徳川政権と朝鮮通信使
第2章 「鎖国」という外交―創造された「祖法」
第3章 東アジア経済圏のなかの日本
第4章 描かれた異国人
第5章 朝鮮通信使行列を読む
第6章 通詞いらぬ山―富士山と異国人の対話
著者等紹介
トビ,ロナルド[トビ,ロナルド][Toby,Ronald]
イリノイ大学教授。1942年アメリカ・ニューヨーク州生まれ。コロンビア大学文学部博士課程修了。文学博士。専攻は日本および東アジアの近世・近代史。朝鮮通信使研究をきっかけに、日本近世を「鎖国」と見なす従来の歴史観に疑問を抱き、1970年代から日本近世像の見直しを提言してきた。また最近では、近世の民衆文化における異国や異人の表象、東アジアにおける国際関係史を、研究の中心としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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