出版社内容情報
バロック期イタリアの知識人ヴィーコの思想を紹介。西洋近代の弊害が深刻味を帯びつつある今、ヴィーコの学問批判の意味は大きい。
内容説明
ヴィーコ(一六六八‐一七四四)は、学問的な世界把握にはらまれる理性主義的錯誤の危険性をことのほか鋭く認識していた、ナポリ生まれの哲学者である。大量破壊兵器、環境破壊など、ヨーロッパ的諸科学のもたらした弊害がかつてにも増して深刻味を帯びつつある今日、ヴィーコの学問批判のもつ意味は大きい。本書は『新しい学』の新訳等を完成させた碩学による、ヴィーコの学問観への透徹した案内である。詳細な文献表付。
目次
第1章 ヴィーコの懐疑
第2章 自然学者ヴィーコ
第3章 真なるものと作られたものとは置換される
第4章 諸国民の世界は人間たちによって作られた
第5章 ヴィーコとキリスト教的プラトニズム
第6章 諸国民の創建者にかんする新しい批判術
第7章 最初の諸国民は詩的記号によって語っていた
第8章 バロック人ヴィーコ
著者等紹介
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年生まれ。東京大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在、東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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