内容説明
白磁胎に、コバルト顔料で絵付をした彩画磁器、青花。元代、中国の景徳鎮で完成したといわれ、日本では「染付」と呼ばれている。なぜ、この時代、突然出現したのか、今もって謎である。元、明、清代、中国の特産品として、日本、アジア、イスラーム中東、さらにヨーロッパへと運ばれた。青花の伝世品や陶磁片を各地へ訪ね、全く新たな視点から、誕生をめぐる問題や謎をとらえ直し、「新陶磁の道」を提起する意欲作。
目次
序章 王宮の天井を埋め尽くす青花磁器
第1章 「陶磁の道」研究のパイオニアたち
第2章 青花磁器の誕生
第3章 元代の景徳鎮窯
第4章 明代の景徳鎮窯
第5章 青花磁器は海を越えて
第6章 スルタンの中国陶磁コレクション
第7章 琉球王国に下賜された青花磁器
第8章 海に眠る中国陶磁器
第9章 草原世界へ広がる青花磁器の道
第10章 青花磁器とチャイナ・ブーム
著者等紹介
弓場紀知[ユバタダノリ]
1947年奈良県生まれ。奈良教育大学教育学部卒業。九州大学大学院文学研究科修士課程修了。1973~2003年、出光美術館に勤務。現在、京都橘大学文学部教授。兵庫陶芸美術館副館長。専攻は考古学、陶磁器の東西交渉史。1998~2001年、フスタート遺跡出土の中国陶磁器の調査。2004~2006年、内モンゴル自治区陶磁器の調査。2000年小山冨士夫記念基金褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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