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ゼロ年代の想像力

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152089410
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『DEATH NOTE』、宮藤官九郎、よしながふみ……格差・郊外・ナショナリズム、激震するゼロ年代に生まれた物語たちの想像力は何を描いてきたのか。時代を更新するサブ・カルチャー批評の決定版。

【目次】
第 一 章 問題設定――九〇年代からゼロ年代へ/「失われた十年」の向こう側
第 二 章 データベースの生む排除型社会――「動物化」の時代とコミュニケーションの回復可能性
第 三 章 「引きこもり/心理主義」の九〇年代――喪失と絶望の想像力
第 四 章 「九五年の思想」をめぐって――否定神学的モラルのあとさき
第 五 章 戦わなければ、生き残れない――サヴァイヴ系の系譜
第 六 章 私たちは今、どこにいるのか――決断主義のゼロ年代の現実認知
第 七 章 宮藤官九郎はなぜ「地名」にこだわるのか――(郊外型)中間共同体の再構成
第 八 章 ふたつの『野ブタ。』のあいだで――木皿泉と動員ゲームの離脱可能性
第 九 章 解体者としてのよしながふみ――二十四年組から遠く離れて
第 十 章 肥大する母性のディストピア――空転するマチズモと高橋留美子の「重力」
第十一章 「成熟」をめぐって――新教養主義の可能性と限界
第十二章 仮面ライダーにとって「変身」とは何か――「正義」と「成熟」の問題系
第十三章 昭和ノスタルジアとレイプ・ファンタジー――物語への態度をめぐって
第十四章 「青春」はどこに存在するか――「ブルーハーツ」から「パーランマウム」へ
第十五章 脱「キャラクター」論――ケータイ小説と「物語」の逆襲
第十六章 時代を祝福/葬送するために――「決断主義のゼロ年代」を超えて

■本書で論じた作品
青山真治/池袋ウエストゲートパーク/犬夜叉/ウォーターボーイズ/ALWAYS 三丁目の夕日/仮面ライダー龍騎/仮面ライダー電王/木皿泉/木更津キャッツアイ/オトナ帝国の逆襲/蹴りたい背中/犬身/恋空/コードギアス/宮藤官九郎/小林よしのり/最終兵器彼女/桜庭一樹/佐藤友哉/戯言シリーズ/下妻物語/女王の教室/ジョゼと虎と魚たち/新世紀エヴァンゲリオン/永遠の仔/すいか/世界の中心で、愛をさけぶ/セクシーボイスアンドロボ/涼宮ハルヒの憂鬱/西洋骨董洋菓子店/DEATH NOTE/電脳コイル/時をかける少女/ドラゴン桜/NANA/野ブタ。をプロデュース/鋼の錬金術師/ハチミツとクローバー/パッチギ!/バトル・ロワイアル/ファウスト/古川日出男/フラガール/冬のソナタ/マンハッタンラブストーリー/松尾スズキ/浜崎あゆみ/メゾン・ド・ヒミコ/よしながふみ/よつばと!/ライフ/らき☆すた/ラスト・フレンズ/リンダリンダリンダ/ONE PIECE

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

48
【図書館】はっきりとした印象ではないが、テレビでは好印象の宇野さんだったと思う。とにかく考えろ!考え抜け!といいたいことはよく分るし、本書に繰り広げられた解釈論も面白い。だけども、申し訳ないが、的が少しズレている気がする。ニーバーの祈りで本書が始まり閉じるが、これ、ニーバーが引用した祈りじゃない?!著作権の問題ではないのですが(笑)確かそうだと思うんだけど。ただ、こういうふうな祈りでサンドウィッチ的に自らが考えろといっているものをナカミにするんだったら、あまりおいしいサンドウィッチじゃあなかった。2014/11/06

おさむ

26
うーむ、十年前の名著として新聞の書評欄で紹介されていたが、ついていけませんでした。マンガやアニメ、ラノベなどのサブカルを題材に繰り広げられる論考。だが、その作品群自体をあまり知らないため、簡単な説明だけでは理解できず。東浩紀や宮台真司らの論考への批判も同様の理由から理解できず。斜め読みでしたが、宇野常寛さんの作品はもういいかな〜。2018/11/18

oz

20
再読。優れた批評家とは同時代人の心情を代弁してポピュラリティを獲得した人物のことを指す。ならばゼロ年代という呼称が一般に浸透した今、演繹的に「宇野は優れた批評家だ」と言えるかもしれない。だがこの論の最大の瑕疵は何故既存の(2000年代という)呼称でなくゼロ年代という新しい語を用いる論理的必然性があったのかを明確に語っていない点である。ゼロ年代などという独創的な語をしかも論題に用いるのなら、それは論中精緻に検討されてゆくべきである。よって立論の段階で本論は破綻してしまっているのだ。2010/01/28

16
東浩紀氏の次に読みたい一冊。東・セカイ系の批判を軸に展開され、ゼロ年代の新しい潮流(サヴァイヴ系)を提唱し、決断主義の克服という思考回路を与えている。セカイ系に傾倒している人への警鐘とも受け取れる批判だった。攻撃的な表現が多数見受けられるため心穏やかには読めないが、セカイ系からサヴァイヴ系への変遷の議論は興味深く読めた。サヴァイヴ系の代表作として『DEATH NOTE』が挙げられており、宇野氏の解釈になるほど納得できるものがあった。2014/06/18

阿部義彦

14
1978年生まれの若い評論家による、サブカルチャー批評。キーワードの括り方や名付けのセンスがわかりやすいです。サヴァイブ系や「野島伸司と幻冬舎文学の時代」「スクールカースト小説」に見るバトルロワイヤルの進行、ふたつの『野ブタ』のあいだで、セカイ系、空気系等などクドカンと木皿泉とよしながふみをまとめて語るなど大変刺激的でした、ついていけない話題もありましたが(仮面ライダーや高橋留美子等)大変な労作だと思います。15章、脱「キャラクター」論が刺激的でした。2015/09/03

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