出版社内容情報
数学の専門書以外ではあまり扱われることがなかった定理も証明し、興味をもった読者の理解を促すため多くのイラスト解説。一番やさしい整数論―ユークリッド幾何学・暗号理論・フェルマーの定理・ABC予想まで学べる、数論の集大成
整数論(数論とも呼ばれる、number theory)とは数、特に整数およびそれから派生する数の体系(代数体、局所体など)の性質について研究する数学の一分野で、「フェルマーの最終定理」等が有名です。
本書は「読み物」ではなく、かつ単に問題を解く教科書でもない、考え方に重きを置いた本を目指します。本書の大きな魅力は、数学の専門書以外ではあまり扱われることがなかった定理も証明し、興味を持ってくれた人にはわかってもらうよう、イラストを入れ、詳細な説明を行います。数論は決して易しい学問ではなく、特に「abc予想」等は難問で、解けない問題として超有名ですがこれをゴールとすることで、明確な目標を提示できる書籍となります。
第1章 古代ギリシャの数学者ユークリッド― 最大公約数の計算の画期的な方法
第2章 素因数分解と抜群の相性のものは― 数論的関数
第3章 ガウスが魅せられた宝石とは― 平方剰余
第4章 4 で割って1 余る素数と、3 余る素数のどちらが多いの? ― 素数の分布
第5章 3√2 と一億分の一の差となる分数のうち、最小分母のものは?
第6章 座標が有理数である平面曲線上の点― ディオファントス幾何のはじまり
第7章 a+b = c から始まる深い世界― abc 予想、フェルマーの定理、
第8章 整数論は社会でこっそり活躍、セキュリティの強化― RSA 暗号、
安福 悠[ヤスフク ユウ]
内容説明
整数論は数学の中でも最も古い歴史を持つ分野であり、現在も数学の理論体系の根幹として、発見と予想が積み重ねられている。本書では、高校数学までの知識で整数論の考え方を説明し、難しいことをやさしく理解できるよう、数学者たちが何千年もかけて考えてきた、整数にまつわる深い議論の道筋を的確に照らせるような本格的な内容を扱った。近年これらはインターネット社会における暗号構築にも役立っており、その最先端にも触れた。
目次
第1章 古代ギリシャの数学者ユークリッド―最大公約数の計算の画期的な方法
第2章 素因数分解と抜群の相性のものは―数論的関数
第3章 ガウスが魅せられた宝石とは―平方剰余
第4章 4で割って1余る素数と、3余る素数のどちらが多いの?―素数の分布
第5章 √2と1億分の1の差となる分数のうち、最小分母のものは?―ディオファントス近似
第6章 座標が有理数である平面曲線上の点―ディオファントス幾何のはじまり
第7章 a+b=cから始まる深い世界―abc予想、フェルマーの定理、ボエタ予想
第8章 整数論は社会でこっそり活躍、セキュリティの強化―RSA暗号、ディジタル署名、楕円曲線暗号、ペアリング暗号
著者等紹介
安福悠[ヤスフクユウ]
中学2年の時に、父の転勤に伴い渡米。ハーバード大学で最優秀学士、ブラウン大学でPh.D.、東京大学で博士(数理科学)。ニューヨーク市立大学大学院センター、東京電機大学を経て、日本大学理工学部数学科准教授。専門はディオファントス幾何と数論的力学系(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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