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応用事例とイラストでわかる離散数学

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  • サイズ A5判/ページ数 245p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320110991
  • NDC分類 410
  • Cコード C3041

出版社内容情報

まず,本書の特色の1つめは,できるだけ多くの人たちに離散数学の存在を知ってもらい,また興味をもって学んでもらえるようにするため,「わかりやすさ」を徹底的に追及した内容になっている点である。「わかりやすさ」に関しては,「本の中で登場する概念をわかりやすく解説している」という意味もあるが,「本の中で登場する概念が具体的にどの部分に役立っているのかについて,わかりやすく解説している」という意味もある。本書では,特に後者の応用面に関して重点を置いて執筆している。というのも,前者の概念のわかりやすい解説については,これまでの離散数学の中にもいくつか見ることができるが,後者の応用面について執筆されている本は,ほとんど見当たらないからである。

 本書の特色の2つめは,厳密なタイムマネージメント(進捗管理)に配慮している点である。この厳密なタイムマネージメントを実現させるため,まず,著者自身が,本書の原稿のひな形を自分自身の授業で使用し,各部分の説明,各例題に,どれだけの時間が必要になるのかを正確に計測した。その結果から,本書の内容すべてが,90分×15コマの範囲内で収まるように設計を行っている。

 本書の特色の3つめが「イラスト」である。これまでの離散数学の本においても,イラストを採用しているものもあるが,いずれもイラストを本文を補足するためのオマケ程度として取り扱っている場合が多い。本書では,イラストを単なるオマケではなく,本文の一部としてイラストを有機的に連動させるように組み込み,わかりやすさの追求するため,また読者の興味を持続させる効果を出す工夫を行っている。また,イラストの数も,実に100点以上と,従来の離散数学にはない豊富な数となっており,それによるダイナミックな流れを実現できている。

第1章 集合
1.1 集合の定義
1.2 集合の表現
1.3 いろいろな集合とその性質
1.4 集合の演算
1.5 ベン図
1.6 包除原理
1.7 集合の応用事例
  1.7.1 検索性能の評価(適合率,再現率,F値)
  1.7.2 集合の類似度(ジャッカード係数,ダイス係数,シンプソン係数)
  1.7.3 包除原理の応用(効率的なカウント手法と部屋割りの組合せ)

第2章 論理
2.1 はじめに
2.2 命題とその表現
2.3 論理演算
2.4 論理演算に関する性質
2.5 条件命題
2.6 命題関数
2.7 推論
2.8 必要条件と十分条件
2.9 全称記号と存在記号
2.10 論理の応用事例
  2.10.1 データマイニングとエキスパートシステム
  2.10.2 命題を利用した玩具
  2.10.3 レコメンデーション(推薦システム)

第3章 関係
3.1 はじめに
3.2 直積集合
3.3 関係
3.4 関係の表現方法
  3.4.1 関係グラフ
  3.4.2 隣接行列
  3.4.3 有向グラフ
3.5 関係の合成
  3.5.1 関係グラフによる合成関係の求め方(方法1)
  3.5.2 隣接行列による合成関係の求め方(方法2)
3.6 関係の性質
3.7 分割
3.8 分割と包除原理
3.9 同値関係
3.10 剰余類
3.11 関係の応用事例
  3.11.1 パターン認識
  3.11.2 関係データベース

第4章 写像
4.1 はじめに
4.2 写像・関数・変換
4.3 単射・全射・全単射
4.4 写像の合成
4.5 写像と鳩の巣原理
4.6 置換
4.7 集合の濃度と全単射写像について
4.8 写像による集合の表現
4.9 写像の応用事例
  4.9.1 郵便と携帯とURL
  4.9.2 熱闘甲子園
  4.9.3 文字コード

第5章 代数系
5.1 はじめに
5.2 二項演算と代数系
5.3 代数系の様々な性質
5.4 剰余和と剰余積
5.5 単位元と逆元
5.6 半群とモノイドと群
5.7 準同型写像と同型写像
5.8 部分群
5.9 対称群
5.10 環と体
5.11 代数系の応用事例

第6章 計算の複雑さ・数え上げ
6.1 はじめに
6.2 単純で難しい分割問題
6.3 数え上げの原理
6.4 順列と二項係数
  6.4.1 順列
  6.4.2 二項係数
6.5 順列と二項係数の応用事例
  6.5.1 応用事例1:検索エンジンと順列
  6.5.2 応用事例2:情報推薦と二項係数

第7章 順序集合から束へ
7.1 はじめに
7.2 順序
7.3 ハッセ図
7.4 直積集合における順序関係
7.5 上限・下限
7.6 束
7.7 束と代数系
7.8 分配束と可補束
7.9 束の応用事例:ブール束とブール代数
7.10 束の応用事例:形式概念分析とセマンティックウェブへの展開

第8章 グラフ理論
8.1 グラフの数学的定義
8.2 隣接と接続および行列による表現方法
8.3 特別なグラフ
8.4 経路
8.5 非連結化集合と分離集合
8.6 グラフの応用事例1:一筆書きの判定(オイラーグラフ)
8.7 グラフの応用事例2:効率的な宅配便の実現(ハミルトン閉路)
8.8 グラフの応用事例3:プリント基板の配線設計(平面グラフ)
8.9 グラフの応用事例4:PageRank

目次

第0章 はじめに
第1章 集合
第2章 論理
第3章 関係
第4章 写像
第5章 代数系
第6章 計算の複雑さ・数え上げ
第7章 順序集合から束へ
第8章 グラフ理論

著者等紹介

延原肇[ノブハラハジメ]
2002年東京工業大学大学院総合理工学研究科修了(博士(工学))。カナダ国アルバータ大学博士研究員。東京工業大学大学院総合理工学研究科助手。2006年筑波大学大学院システム情報工学研究科講師。2013年筑波大学システム情報系准教授(現職)。専門は計算知能、ウェブ・インテリジェンス、離散数理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shin_ash

5
たまたま本書を目にする機会があり、離散数学が押さえられるならと手にした。これが大正解で難解だった離散数学がだいぶ理解できる様になった気がする。集合、論理、写像、代数系、数え上げ、順序集合を経てようやくグラフ理論に至る。これだけの範囲を丁寧に積み上げながら解説するので非常に分かりやすい。統計や機械学習の入門書にある、申し訳程度の解説ではよくわからない。かと言って補強しようと入門書に手を伸ばすと内容が重すぎる。離散数学は情報数学とも言うようでその名の通り情報系で必要不可欠を網羅しているのがありがたい。良書だ。2021/09/21

PenguinTrainer

0
高校までの数学と大学の数学を繋げる本。群や環、加法、可換などなんとなくきいたことがあった程度であった用語が本書をきっかけに、具体例とともに理解できるようになる。2020/06/16

ゆう

0
最近離散数学を独学で触り始めたが、とっかかりとしては良いと思う。しかし、これだけ読んでも数式的にはきちんと理解はできない感覚があったので、『その理屈、証明できますか?』とかに進んだ。2019/12/21

Bantako

0
数学の基礎が学べる 特に集合、写像、代数系をやっていない理系学生にはおすすめしたい2018/10/22

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