ちくま新書<br> 歴史の中の『新約聖書』

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ちくま新書
歴史の中の『新約聖書』

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480065667
  • NDC分類 193.5
  • Cコード C0216

内容説明

『新約聖書』は、キリスト教の流れの中で最も重要視されてきた書物である。しかし、この中に収められた文書を読むと、相互に対立するようなことが書かれている。この事態を理解するには、新約聖書がどのようにまとめられたのか、それぞれの文書はどのような立場から書かれたのかを考える必要がある。また、新約聖書の核にあるイエスの意義と、そのイエスが前提としていたユダヤ教の流れについて知っておくことも必要だ。歴史的状況を丁寧におさえながら読む、「新約聖書入門」。

目次

第1章 一神教の発想と展開(ユダヤ教とキリスト教;本格的な「一神教」の成立;「律法」と「神殿」)
第2章 イエスとエルサレムの共同体(なぜイエスなのか;ペトロの共同体)
第3章 エルサレム教会からの二つの分派(ヘレニストの分離;マルコ福音書;パウロの手法)
第4章 ユダヤ戦争後の模索(マタイ福音書;ルカ文書;ヨハネ福音書)
第5章 新約聖書の権威(マルキオンの聖書;キリスト教とローマ帝国;新約聖書の成立)

著者等紹介

加藤隆[カトウタカシ]
1957年生まれ。ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了。神学博士。千葉大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

56
生来の不信心者が突然信仰に目覚めた訳ではないが、西洋史を読んでいるとキリスト教について無知だと理解が浅いと感じ、読んでみました。一神教としてのユダヤ教成立から約千年も後、その改革として始まったキリスト教。ユダヤ教の旧約聖書に対し、イエスの死後編纂された新約聖書。マタイ伝など四つの福音書の他、パウロ書簡集など27の文書から成るが、全体が調和的、統一的な立場ではなく、互いに違った立場が主張されている等々。信仰の対象の聖書を学術的な視点から大変わかり易く解説しています。聖書未読の”救われない者”には良書でした。2019/03/23

マウリツィウス

16
【新約成立と異端史実根拠】新約聖書における契約像を歴史主義的観点から再編成する論考と末端にあるマルキオン聖書と正典問題について有益な洞察が成され、新約聖書とは第二正典の包含に関わらず必要視される根拠とは「古代ユダヤ教を他概念=新約聖書的唯一神に置換」たことにあり新約聖書が旧約ではない形態を帯びた明示描写される考古証拠について検証が成される。導き出すと新約のあるべき形はユダヤ教原型だがその区分定義こそキリスト教の《福音根拠》となり旧約を聖書に含める教義はマルキオン異端を断絶、新約文法は確立していく構成論著。2013/05/20

マウリツィウス

15
【グノーシス変換言語と新約聖書】新約聖書テモテ書簡「完全浸透と再現としての新約時代」から「ロゴス概念」を騙る異端とのパウロの闘争と奔走を見出すことが可能だ。新約黙示録登場を余儀なくさせた「終末観」の邪悪構築こそがグノーシスによる誘発事象、福音書記者ヨハネはこれを危惧することもあったが最終結論に「黙示録こそが新約を完了させ、旧約と結合」させる文書だと先見を発揮、異端偽黙示文書集を駆逐しセクト外へ追放した功績も見出せる。新約異端/旧約偶像の二存在を完全遮断した福音は《楽園》=《黙示録》定義とし異教/異端鎮圧。2013/06/18

Vakira

14
たまたまテレビをつけたらEテレの「100分で名著」がやっていて「旧約聖書」の話が面白かったので、次の日早速本屋へ。TV用のテキスト本がありましたが、近くにあったこの本をペラペラと・・・面白そうだったので購入。キリスト教はざっくりとしか知らなかったので、理解できるか心配でしたが、キリスト教はどんな宗教か?というよりどの様にして「新約聖書」が出来たのか?時代環境から非常にわかりやすく説明され、なるほどそうだったのか~という感じ。この本も気に入ったので、次は著者の「旧約聖書の誕生」を読んでみたい。2014/05/26

くるた

7
キリスト教徒じゃない人が新約聖書をザックリ知る為にうってつけの本かと思います。ユダヤ教という一神教の誕生、そこからキリスト教という新興勢力が生まれたワケ、新約聖書という「物質として存在する典拠」が求められた理由。そして時の権力者との関係など。新約聖書は全体として統一された教えを説いているわけではなく、意見が食い違っていた複数人の文章が収められていて、初めから矛盾・対立した内容が含まれているというのはビックリでした。NHKの100分de名著の解説で知ったこの著者、やっぱり説明がわかりやすい〜。2015/01/05

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