出版社内容情報
日韓関係に影を落とす元徴用工問題。解決済とする日本政府も補償を求める彼らの個人請求権は認めている。戦後75年放置されてきた戦時被害を直視し和解を探る。
内容説明
韓国人元徴用工問題を解決済とする日本政府。一方で元徴用工が補償を求める個人請求権が存在することも認めている。彼らの訴えに耳を傾けることが、戦後七十五年間、民間人の空襲被害や外国籍の人々への戦後補償を放置してきた日本社会に問われているのではないか。著者は弁護士として中国人強制労働事件の和解交渉にかかわった経験を踏まえ、元徴用工問題和解への道を探る。
目次
第1部 「徴用工問題」と日韓関係のゆくえ(韓国大法院判決が投げかけた問題点;植民地支配の実態に向き合う)
第2部 中国人強制連行・強制労働(中国人強制連行・強制労働の歴史から学ぶ;中国人受難者・遺族による損害賠償請求;全国で相次いだ損害賠償請求訴訟;西松建設(旧西松組)広島安野の裁判、和解へ
三菱マテリアル(旧三菱鉱業)も和解へ
判決の「付言」に見る裁判官たちの苦悩)
第3部 問題解決には何が必要か(日韓基本条約・請求権協定の修正、補完は不可避;戦争被害における個人請求権;冷戦によって封印された個人賠償の復権;韓国憲法と日本国憲法;負の歴史に向き合う;日韓の関係改善を求めて;あとがきに代えて)
著者等紹介
内田雅敏[ウチダマサトシ]
1945年生まれ、1975年東京弁護士会登録。日弁連人権擁護委員会委員、同接見交通権確立実行委員会委員長、関東弁護士会連合会憲法問題協議会委員長、西松安野友好基金運営委員会委員長を経て、現在、日弁連憲法委員会委員。弁護士としての通常業務の他に、中国人強制連行・強制労働問題(花岡、西松、三菱マテリアル)など戦後補償問題、靖國問題などに取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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