出版社内容情報
憲法9条をどのように使うことが、私たちにとって必要なのか。日米同盟と9条をめぐる「せめぎあい」の歴史をたどり、ゼロから問いなおす。著者、さいごの戦後論。
内容説明
世界に先がけた理想として敗戦国日本にもたらされた憲法9条。だがその9条とのあいだに、私たち日本人は生きた関係を築けずにきた。原初からの問いを育てることができなかったからだ。もし9条が役に立ちうるとすれば、それを生かすのにいま、何が必要なのか―。日米安保条約締結から、改憲派・護憲派の二項対立が形成される高度成長期をへて、冷戦終結後、対米従属を深め混迷にいたる現在まで。戦後史の深層を丹念に掘り起こし、ゼロからの問いを提起する。『9条入門』の後半として書き下ろされた、著者さいごの提言。
目次
第1部 日米安保条約と憲法9条―1950年代(改憲論の登場)
第2部 安保闘争と日米安定期―1960~80年代(さまざまな護憲論;折り返し地点―保守系ハト派の護憲型政治)
第3部 冷戦終結から日本の閉塞へ―1990年代以降(冷戦以後の日米安保;21世紀と凋落のはじまり;歴史像の改定―捨象される経験の核心)
おわりに 憲法9条/使用法
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948‐2019年。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒業。著書に『戦後入門』(ちくま新書)、『敗戦後論』(ちくま学芸文庫、伊藤整文学賞受賞)、『アメリカの影』『戦後的思考』(講談社文芸文庫)、『言語表現法講義』(岩波書店、新潮学芸賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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