出版社内容情報
稲垣足穂も三浦しをんも澁澤龍彦も私たちはみな心に星を抱いている。あなたの星はこの本にありますか? 輝く35編のアンソロジー。稲垣足穂も、三浦しをんも、澁澤龍彦も、私たちはみな心に星を抱いている。あなたの星はこの本にありますか? 輝く35編の文学アンソロジー。
和田 博文[ワダ ヒロフミ]
編集
内容説明
「新しい星が現れたかわりに、古いなにかが姿を消したかもしれない」―寺山修司の描く盲目の少女はこうつぶやく。三浦しをんの「冬の一等星」で星と星を細い線で結ぶ映子も、不気味な光を散らす箒星を見た内田百〓も、占星術師ノストラダムスの予言に分け入る澁澤龍彦も、みな心に自分の星を抱いて空を見上げる。あなたの星はこの本にありますか?美しく輝く35篇の星の文学アンソロジー。
著者等紹介
和田博文[ワダヒロフミ]
1954年横浜市生まれ。神戸大学大学院文学研究科博士課程(文化基礎論)中退。東京女子大学日本文学専攻教授・比較文化研究所長・丸山眞男記念比較思想研究センター長。ロンドン大学SOAS、パリ第7大学、復旦大学大学院の客員研究員や客員教授を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
ちくま文庫の「月の文学館」に続く星についてのアンソロジーです。どちらかというと月の方が楽しかったのですがそれなりに楽しめました。こちらのほうが詩やエッセイ的なものが多かったように感じました。若干不満に感じたのは、野尻抱影の作品がぜんぜん収められていなかったことです。星というと私の年代はこの方の星に関するエッセイや物語で楽しんだものです。著作権の関係ですかね。2018/10/17
rico
61
七夕に合わせて。「よだかの星」、SF、詩に評論、エッセイ等など、星にまつわる多彩な作品集。印象に残ったのは、足穂の童話めいた不思議な世界や、倉橋由美子の後味の悪さなど。単体では多分一生読むことがないであろう作品に出会えるのも、アンソロジーの醍醐味。久しぶりに、子どものころ天文学者に憧れてたのを思い出しました。最近はお天気が悪くて星を見るのもままなりませんが、せめて本の世界で星空散歩をいたしましょう。表紙はヒグチユウコさん。眺めてるだけでも幸せな気分。・・・でも、「よだか」はやっぱり読んでて辛すぎる。2019/07/08
優希
38
星にまつわる35編の物語。それぞれの物語は短いけれど、きらめきが詰まっていルように思えました。自分の中に星を持っているからこそ、輝いているのですね。彗星のように爽やかな光が体の中を突き抜けていきました。2024/01/07
踊る猫
38
読まず嫌いだった倉橋由美子や稲垣足穂の短編に惹かれる。サイエンス・フィクションというのとも違う、お伽噺のようなぶっ飛び具合。宇宙を題材にしたエッセイということで言えば大江健三郎や埴谷雄高なども面白く読めた。このアンソロジストのセンスは信頼出来る、と思われた。私は理系の知識はからっきしない人間なので、あまり楽しめないかと思っていたのだけれど……三浦しをんや川上未映子の作品はあまり感心しなかったのだけれど、これは好みの問題なのだろう。寺山修司が集中の一作であると思う。寺山もまた読まず嫌いの作家なので、チェック2019/01/12
かめりあうさぎ
31
星をテーマに集めたアンソロジーの短編および詩集。各章は天の川と七夕、ハレー彗星と日蝕、太陽系の惑星、天体観測と星座、宇宙の深淵、とテーマが分かれています。既読は大好きな宮沢賢治著『よだかの星』だけで、明治時代の作家さんもいたり、もちろん今も活躍する作家さんもいたり。個人的には三島由紀夫著『日食』、阿部謹也著『中世の星の下で』、三浦しをん『冬の一等星』が面白かったです。三島由紀夫はもうさすがとしか言いようがないですね、短い文章の中にこんなにも感情が詰まっているのかと。ヒグチユウコさんの表紙がぴったり。2020/10/25