出版社内容情報
本書はこれまでの研究のもとになった着想や研究でわかった人間の本質、ロボットの在り方、頭の中のアイデアなどを、文章と図版の見開き構成で紹介する。
内容説明
鬼才ロボット工学者の着想と思考をヴィジュアル化。
目次
第1章 人間とロボット(人間は自分のことを知らない;他者との関わりを通して生まれる自我 ほか)
第2章 人間社会と技術(教育と仕事;未来(100年後)の教育と仕事 ほか)
第3章 人間とは何か、ロボットでどう再現するか(欲求、意図、行動;欲求や意図をもつロボット ほか)
第4章 人間の進化(人間の進化;ムーアの法則 ほか)
著者等紹介
石黒浩[イシグロヒロシ]
1963年、滋賀県生まれ。ロボット工学者。大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。大阪大学大学院基礎工学研究科教授。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究を通じ、「人間とは何か?」という基本問題を探求する。開発した主なロボットに、テレノイド、コミュー、ジェミノイドF、エリカ、機械人間オルタがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
30
拡がりのある1冊。1つの視点で1ページと1つのイラスト。石黒先生のおっしゃるとおり、ロボットを通して、人間とは何なのか?を考える視点が溢れている。人間に似すぎるとかえって穴が目につき、絞り込むとヒトのほうで想像して補ってくれる。技術進歩との関係。教育にかかる時間が、ますます増大する・・などなど。時間をおいえ、何度も読み返したいと思う、数少ない1冊。2018/05/26
那由田 忠
23
著名なアンドロイド研究者のユニークな人間論。アンドロイド製作から見える人間像を語る。人間は自分のことを知らないので内部観察をする。人間らしい特徴と思っているのはトップ10 %のあり方であり、今後は、仕事より教育の部分が、技術に使われる人がますます増え、宗教指導者がアンドロイド化されて偶像以上の影響を与えるだろう、と中々面白い見方をする。。欲求や意図をロボットに持たせ、ロボットはそれに後で気づくとより人間的になる。食べられるロボットや、人間が進化して完全機械化されて個がなくなると言われて驚く。凄い…2018/05/10
late
17
人間の本質や人とロボットの関わり方を研究するロボット工学者が、これまでに思い付いたこと、研究で分かったことなどをつらつらと語る。個人的には第1章と第2章が好き。主観的な部分も多くてなんとなく人となりに触れながら読むのも楽しかったし、分かりやすい話と図版であやふやになっていたことについて整理してもらった感覚もある。第3章以降は聞いたことのある話も多く、図版もそこまで役に立っていなかった気がするので、もっと詳しく語ってほしかった。2019/02/19
izw
14
アンドロイド研究で有名な石黒先生が、いろいろなトピックスを考えるときのイメージを表現した図を披露してくれる。見開きで左頁にイメージ、右頁に解説で、ロボットと人間について、技術・人間に関する考察が展開され、石黒先生の考え方が良く分かる。ほとんどは、すんなり納得できる考え方だが、アンドロイドで人間をコピーすることの文化的価値を、米朝のアンドロイドを制作した経験から述べているが、録音・録画に近い段階でのコピーアンドロイドを過大評価しすぎではないかと思った。2017/10/09
やまもと
7
石黒さんの教授の中で最も内容が薄い本ではあったが、 はじめにの部分で、人間の理解とはパターンを見つけ出すことである、という部分がかなり共感できた。 ホリエモンさんの著書、石黒教授のロボット工学関連本、AIの未来的な本、それぞれが似たことを書きつつも、幾つか読んでいく中で、特に大事なものや、キーワード同士の関連性が見つかったりする。それこそが読書における本当の理解なんだなと。 あと印象に残ったのが、食とコミュニケーションの部分で、正確な客観情報と深い主観が入る食の場は理想のコミュニケーション場という部分2017/08/24