内容説明
社会的包摂はなぜ浮上したか。どのような政策から成り、生活困窮が広がる日本の現実をいかに変えうるか。福祉レジーム論、比較政治学、社会的企業論、ガバナンス理論などの成果を広範に動員し、アクティベーション、ワークフェア、ベーシックインカムの対抗のなかから、新しい包摂型社会のかたちを展望する。
目次
社会的包摂の政治学
第1部 三つの包摂戦略(社会的包摂をめぐる政治対抗;社会的包摂の方法・場・組織―「第三の道」以後の対立軸;ベーシックインカム資本主義の三つの世界)
第2部 排除と包摂の政治(福祉レジームと社会的包摂―日本型レジームの位置と課題;日本の労働変容と包摂の政治;新しい右翼と排除の政治―福祉ショービニズムのゆくえ;包摂型改革と言説政治)
第3部 包摂型社会のデザイン(福祉ガバナンス―社会的包摂の統治と参加;社会的包摂とEUのガバナンス;グリーンな社会的包摂は可能か―脱生産主義的福祉をめぐって)
自立と承認をめぐる政治
著者等紹介
宮本太郎[ミヤモトタロウ]
1958年東京都に生まれる。1988年中央大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。ストックホルム大学客員研究員、立命館大学教授、北海道大学大学院法学研究科教授を経て、中央大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kotte
13
「社会的包摂」、最近よく聞く言葉です。難しい本ですが、読み切ると現代の社会における自立と承認の対抗関係が理解できます。2017/10/25
Ryuji Saito
0
2015年117冊目。2015/11/17
Seutaro
0
ヨーロッパや日本での社会的包摂に関する政治動向についての論文集。ワークフェアやアクティベーションに関する議論は、社会的包摂のあり方を考えるうえで極めて有用だと思う。また、「福祉ショーヴィニズム」は、今後の日本においても注目に値する政治現象となる可能性がある。2013/10/29