出版社内容情報
「公共性」を軸とした理論社会学を背景に、地域、災害、家族、政策科学を展開。社会システムの設計と理論を解明する 「講座・社会変動」全10冊の最終巻にふさわしく、21世紀日本社会システムの構造と機能を理論的に明らかにした。社会システム設計の軸を「公共性」に求め、地域社会学、災害研究、家族論、政策科学の各領域から多面的に論じた。日本と世界のゼーション現象の個別的研究を活用して、新しい社会システムを先取りする観察された事実を取り込み、それらを統合化したマクロ社会学の現代的到達点を示している。
はしがき
序 章 計画原理としての持続可能性とユニバーサル基準(金子 勇)
1 計画理論
2 計画理論とサステナビリティ
3 新しい価値基準としての公共性
第1部 公共性理論と計画の評価
第1章 第二の近代における公共性と正義(友枝敏雄)
1 20世紀社会から21世紀社会へ
2 市民社会と公共性
3 市民社会と正義
4 正義から公共性へ
コラム 隣接領域との対話[社会工学]集合行為ジレンマと市民的公共性(坂野達郎)
第2章 政策評価とソーシャル・ガバナンス(三重野卓)
1 問題設定
2 指標化をめぐる状況
3 幾つかの概念枠組み
4 ガバナンスと政策評価
5 政策評価の方向性
第3章 社会的共通資本と都市社会の公共性(金子 勇)
1 社会学にみる「私性」と「公共性」
2 公共性と公共財
3 社会的共通資本と地球温暖化問題
4 公共性と共同性
コラム 隣接領域との対話[社会工学]反テイラリズムの公共組織改革(坂野達郎)
第2部 災害,地域,家族をめぐる共同性と公共性
第4章 災害対策と公共性(田中重好)
1 災害は公共性が高い
2 災害対策基本法と公共性
3 災害復興と公共性
4 官の公共性
コラム 隣接領域との対話[公衆衛生学]健康増進計画と公衆衛生学的アプローチ(青山泰子)
第5章 モダニティ・共同性・コミュニティ──「生きられる共同性」再論(吉原直樹)
1 産業主義的生産様式の機制──イリイチを読む
2 モダンの時間──空間と「生きられる共同性」
3 グローカル化とカタストロフのなかの産業主義的生産様式
4 「生きられる共同性」の脱埋め込みと再埋め込み
5 「創発的なもの」,そして節合のメカニズム
6 サロンからみえてくるもの
コラム 隣接領域との対話[社会工学]ミニ・パブリックスは、討議民主主義実現の手段になりうるか(坂野達郎)
第6章 地域コミュニティにおける排除と公共性(松宮 朝)
1 地域コミュニティにおける排除
2 コミュニティと排除をめぐる理論
3 外国籍住民が増加する公営住宅と地域コミュニティ
4 愛知県西尾市の地域コミュニティと外国籍住民
5 地域コミュニティにおける排除への対抗
コラム 隣接領域との対話[NPO研究]NPOによる計画化と公共性の創出──北九州でのホームレス支援を例に(稲月 正)
第7章 家族研究と公共性…米村千代
1 家族研究における公共的視点
2 家族研究の実践的課題
3 家族と公共性
4 社会と家族の境界設定をめぐって
5 あるべき家族を構想することの両義性
索 引
金子 勇[カネコ イサム]
2017年3月現在北海道大学名誉教授,神戸学院大学現代社会学部教授。
内容説明
「講座・社会変動」全10冊の最終巻にふさわしく、21世紀日本社会システムの構造と機能を理論的に明らかにした。社会システム設計の軸を「公共性」に求め、地域社会学、災害研究、家族論、政策科学の各領域から多面的に論じた。日本と世界のゼーション現象の個別的研究を活用して、新しい社会システムを先取りする観察された事実を取り込み、それらを総合化したマクロ社会学の現代的到達点を示している。
目次
計画原理としての持続可能性とユニバーサル基準
第1部 公共性理論と計画の評価(第二の近代における公共性と正義;政策評価とソーシャル・ガバナンス;社会的共通資本と都市社会の公共性)
第2部 災害、地域、家族をめぐる共同性と公共性(災害対策と公共性;モダニティ・共同性・コミュニティ―「生きられる共同性」再論;地域コミュニティにおける排除と公共性;家族研究と公共性)
著者等紹介
金子勇[カネコイサム]
1949年生まれ。1977年九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士(九州大学、1993年)。現在、北海道大学名誉教授、神戸学院大学現代社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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