内容説明
いま、ここに起きている問題を、社会学はどのようにとらえ、語りうるのか。格差やリスク、若者や家族などを論じながら、現代社会を浮かび上がらせる。未来を見すえるための、「いちばんやさしい」現代社会論。
目次
社会学の方法―社会を科学する
第1部 現代社会のアスペクト(孤人化する社会と親密性の罠―今日的な関係性の諸問題;学校から職業へ―“生きにくさ”の正体を探る;非行文化を喪失した少年犯罪―「優しい関係」を生きる今日の若者たち;地域社会の崩壊と再生の模索―豊かな社会のかなた;豊かな社会の格差と不平等;社会変動と文化現象)
第2部 21世紀社会のグランドデザイン(「ジェンダー・フリー」のゆくえ―家族のかたちから21世紀日本社会を考える;ネオリベラリズムと福祉国家―グローバル化時代の生活保障;リスク社会の克服―リスクとつきあって生きていく時代に;21世紀社会と人類の幸福―グローバル化の悪夢を超えて;グローバル化と文明の共生)
著者等紹介
友枝敏雄[トモエダトシオ]
大阪大学大学院人間科学研究科教授。専攻、理論社会学
山田真茂留[ヤマダマモル]
早稲田大学文学学術院教授。専攻、集合的アイデンティティ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
32
社会学の入門書として良書。世の中の諸問題を考察するには幅広い知識が必要。もっと勉強しなければ。2015/06/24
ステビア
18
メンツが超豪華。アクティブラーニング的要素や用語解説も入ったよい教科書。2023/01/04
大先生
12
最近の若者は人間関係が希薄化している。コミュ力が低いのでは?と感じる方、本書の第3章をご一読下さい。要約すると【かつてより葛藤の種が潜在的に多く含まれるようになった人間関係を円滑に維持するため、むしろ高度なコミュ力を駆使して微妙な距離感で「優しい関係」をつくりだしている。あえていえば、意図的に希薄な人間関係に保っている。これは他人指向型パーソナリティに近い】ということだそうです。何事もバランスだと思いますが、八方美人と自己中の真ん中=ちょっとKYかもくらいの感覚で生きたほうが少なくとも主観的には幸せかと。2023/01/31
りょうみや
5
本書を含めこれまで読んだアルマの社会学シリーズはどれもおもしろかった。本書は12人の社会学者がそれぞれのテーマを書いている。大学の初学者向けの本で、社会学的な考え方やこれから社会学を「する」ために身に着けなければいけない素養がわかる。各章に挙げられている参考図書は役に立ちそう。個人的には2章の生きにくさの正体、5章の格差と不平等、6章の社会変動と文化現象(出版不況)が興味深い。2016/10/20
ぽん教授(非実在系)
3
前半は良くできてると感じるが、後半はやっつけ感を感じる。全般的に問題提起と現状分析に注力しており、読者・学習者に問いかけをして考えさせる内容になっており、本書の内容に真っ向から反対するのも良い。2016/07/12