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新訳 被抑圧者の教育学

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  • サイズ B6判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750511023
  • NDC分類 371.262
  • Cコード C0037

内容説明

被抑圧者は自由を怖れる―彼らが“全き人間”となるための条件を徹底的に思索する。銀行型教育から問題解決型教育へ。日本語初版が1979年、以来版を重ねること13版。つねに新しい読者を獲得してきた名著が、いまの時代にふさわしい読みやすさで蘇った。実践を通して繰り広げられたフレイレ教育学の核心の世界へ。

目次

序章
第1章 「被抑圧者の教育学」を書いた理由(抑圧する者とされる者との間の矛盾―それを乗り越えるということ;明らかな抑圧状況と抑圧者について ほか)
第2章 抑圧のツールとしての“銀行型”教育(問題解決型の概念と自由と解放のための教育;「銀行型教育」の概念、そして教える者と教えられる者との矛盾について ほか)
第3章 対話性について―自由の実践としての教育の本質(対話的教育と対話;プログラムの内容の探求から始まる対話について ほか)
第4章 反‐対話の理論(反‐対話的な行動の理論とその特徴について―征服、抑圧維持のためのわかち合い、大衆操作と文化的浸潤について;対話的行動の理論とその特徴―協働、団結、文化的文脈の組織化)

著者等紹介

フレイレ,パウロ[フレイレ,パウロ][Freire,Paulo]
Paulo Regulus Neves Freire。1921年9月19~1997年5月2日。ブラジル北東部ペルナンブコ州に生まれる。教育学者、哲学者。「意識化」「問題解決型教育」などを通じ、20世紀の教育思想から民主政治のあり方にまで大きな影響を与えた。その実践を通じて「エンパワーメント」「ヒューマニゼーション(人間化)」という表現も広く知られるようになる

三砂ちづる[ミサゴチズル]
1958年9月6日~。山口県光市生まれ、兵庫県西宮市で育つ。京都薬科大学卒。公衆衛生研究者、作家。現在、津田塾大学国際関係学科教員。1990年代の約10年、ブラジル北東部セアラ州において「出生と出産の人間化」の実践に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

28
多くの社会活動家に影響を与えてきた一冊。言葉はかなり抽象的だが、だからこそ、現場で権威との闘いを繰り広げてきた経験を持つ実践者一人ひとりがそれぞれ我が事と感じることができたのだろう。思考しながらの執筆だからなのか、何度も何度も同じテーマが変奏されていくので、読むうちにおのずと自らの経験が補完されていく。◇自らの内なる抑圧者に意識的であること。カギとなるのは「対話」へ向かう意思。現実を動的なものととらえ、状況に主体的に関わっていける。社会構成主義だ。◇少ないけれど、農村での現場のシーンが理解を促してくれる。2019/02/03

isao_key

6
「被抑圧者の教育学」を書いた理由で著者は「自分たち人間が<宇宙の中でどういう位置をしめているのか>ということを私たちは何も知らないし、だからこそもっと深く知りたいと願う。この、人間は自分について何も分かっていないのだ、という自覚が、この本での探究の動機である」とする。人間化と非人間化、不正や搾取、抑圧、被抑圧者の暴力などによって人間の使命は否定されてきたが奪われてしまった人間性を回復するための、抑圧されたものの自由と公正への希求とをその闘いによって肯定されてゆく、と述べ、その過程と対立を明らかにしている。2015/11/14

Riopapa

3
前半は読みやすかったが、後半は難しかった。日本の教育もある意味では変革期にあるが、残念ながら、上からの改革で現場との対話というのはなされていない気がする。2022/05/05

tu-ta

3
ずっと読もうと思っていた三砂ちづる訳。 読んでいる最中にも、この読書メーターやFBからつぶやいたのだけど、差別や抑圧の重層性をここから、どうほどいていったらいいのだろう。大切な本だとは思うが、あまりにも二項対立図式に偏りすぎているような気もする。 ま、この本に連なるマニフェストのような部分はかっこいいと思ったりもするのだけど。 約20日もかけて書いた読書メモは 2万字超で二つに分けだ。URLはコメント欄にも掲載。2015/03/03

でぐぴ

2
「教育学」とタイトルにはついているけど、その内容はもっと広く、人間の自由と解放について書かれている。初版は68年で、第三世界での識字教育の経験をもとに書かれているが、彼の言葉は現代日本社会においても全く古くなく、とても身近なものとして様々な文脈で読むことができる。よりよく生きようとする人間が持つ力への信頼、そのための対話の本質。本当に、生活のいろんな場面で、いろんな現場で、何度もこの本を開きたい。くり返しが多すぎて嫌になったけど、「あとがき」を読んでハッとした。この本自体が対話の実践そのものなんだと思った2016/04/09

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