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子どもの頃の思い出は本物か―記憶に裏切られるとき

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784759814675
  • NDC分類 141.34
  • Cコード C0011

出版社内容情報

多くの人は自分の記憶は正しいと思っていることでしょう.そんな人にこそ読んでいただきたい,記憶をめぐるひと味違った読み物。

あなたの最初の記憶は何歳のものか.あなたが持っている思い出のすべては本当に体験したことだろうか.近年の研究によって,記憶は歪み,なかったことをあることにし,植えつけられさえすることが明らかになってきた.このような学問的知見が蓄積される一方,セラピーによって回復した子どもの頃の虐待の記憶が偽物だったにも関わらず,訴訟へと発展する事例が多発している.本書では,記憶のなかでもとくに自伝的記憶とはどのようなものか,その科学的な研究を背景にして,第一線で活躍するエキスパートとともにその姿を描き出す.

内容説明

つくられる偽りの記憶。ときに歪められ、ときに植えつけられる子どもの頃の記憶。その思い出は本当にあなた自身のものか。

目次

何年も忘れない
幼児期健忘
自分が何者かをどうやって知るのか
記憶の再構成
記憶戦争の勃発
偽りを演じる
信念の限界
セラピーの犯罪
イメージを信じて
虐待される真実
フレイド家の確執
真実、あるいはその行く末

著者等紹介

サバー,カール[サバー,カール][Sabbagh,Karl]
作家・シャーナリスト。キングス・カレッジ(ケンブリッジ大学)で、実験心理学を学ぶ。長年ドキュメンタリー番組のプロデューサーとして英国と米国の放送局で活躍した。これまでに10冊の著作があり、A Rum AffairはLos Angeles Timesのサイエンス・ブック・アワードの最終候補になった

越智啓太[オチケイタ]
学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了。警視庁科学捜査研究所、東京家政大学助教授を経て、現在、法政大学人文学部心理学科教授。専門は犯罪心理学、認知心理学

雨宮有里[アマミヤユリ]
東京大学大学院人文社会系研究科単位取得満期退学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現在、東京学芸大学・法政大学非常勤講師。専門は認知心理学

丹藤克也[タンドウカツヤ]
北海道大学大学院文学研究科人間システム科学専攻博士課程修了。博士(文学)。現在、聖カタリナ女子大学人間健康福祉学部専任講師。専門は認知心理学、法心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

吉野ヶ里

7
「抑圧された記憶」が心理療法により取り戻されるという現象に対する批判。前半は思い出に対する一般的な理解の誤りを整理し、後半は偽りの記憶によって起こされる虚偽の虐待問題など具体的な事例へのアプローチが行われる。記憶は保管されているデータの「再現」ではなく、脳の各部位に保存されている要素の「再構成」である。選択的な注意やディティールの誘惑効果、生活での利用経験などによって記憶を構成する要素はそもそも合理化、簡略化され、時系列の入れ換えが起こり、創作され、思い出すときの興味によって脚色されたりする。2020/08/26

ダンボー1号

6
小説脳になっているのか読んでも上手く頭に入ってこない。子供の時の記憶はビデオテープの様なものではない、抑圧や他者とのかかわりや質問の仕方などである時は都合よく修正されたり偽の記憶を思い込んだりするらしい。けど個々の記憶の話だからこうだと断言はできない。普通に覚えている記憶とずれた記憶の違い、なぜ?等を知りたかったがメインは幼児虐待の記憶からの精神疾患、犯罪解明であった。自分が知りたい脳の記憶能力というよりアメリカの病んだ幼児虐待のほうが印象残る。トラウマに関するレポートで逆にトラウマになりそう。2015/02/06

春風

3
「メンタルヘルスの世界でロボトミー以来の大災害」といわれる偽りの記憶戦争について。ホメオパシー論争と似た構図だけど、違うのは虐待記憶の抑圧を支持する側にも名だたる専門家がいるし、世間の常識もそっちを支持してしまっていること。2011/06/03

takao

2
ふむ2023/01/10

らむだ

2
『子どもの頃の思い出は本物か』というタイトルだが、抑圧された記憶・回復記憶とFalse Memory(虚偽記憶・過誤記憶)にまつわる、記憶に関する論争が軸になっている。そんな中でも、記憶の再構成性やディテールの誘惑効果など、記憶と認知にまつわる興味深い指摘も。 なお、本書は基本的に抑圧された記憶・回復記憶を批判するスタンスでまとめられています。2014/07/06

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