内容説明
憲法、そしてそこに盛り込まれた基本的な原理・原則は、決して抽象的な理念や理論から出てきたものではなく、現実の歴史のなかから生まれてきた考え方です。歴史のどういう流れのなかで、どういう人たちが主体となって、そうした考え方を定着させてきたのか、そのことを具体的な歴史に即して一度おさらいしてみる。
目次
第1章 憲法という考え方の歴史
第2章 人権という考え方の歴史
第3章 国民主権という考え方の歴史
第4章 権力分立という考え方の歴史
第5章 戦争と平和の歴史
第6章 国家と国民の歴史
著者等紹介
浦部法穂[ウラベノリホ]
1946年愛知県に生まれる。1968年東京大学法学部卒業。神戸大学大学院法学研究科教授・神戸大学副学長等を経て、名古屋大学大学院法学研究科教授。法学館憲法研究所主席客員研究員。特定非営利活動法人「人権・平和国際情報センター」理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
8
面白かった。思想的に相容れない部分が多いけれど、とても魅力的な部分も多い先生だと思う。2017/08/17
sonohey
2
講義録の書籍化。ただの社会の教科書のふりをして、しっかり思想が注入された「おもしろい」教科書。前半は世界史の中の憲法を概観し、憲法(法)とは絶対王政期の君主やフランス革命の市民など、時の権力を握った者たちが自分たちの権利(金、領土、自由、平和など)を守り強めるために創り上げたものであると指摘。また、後半では国家意識の欺瞞を指摘、国家のために行われる戦争のバカバカしさが指摘され、最後は組織のPRで終わる構成ににやり。素直に勉強になったが、国家に代わる「共同体」の在りかが人間一般という主張は、素直には肯けない2014/07/14
hi
2
非常におもしろかった。 憲法,法律,世界史をそれぞれバラバラにしている人に勧めたい。 「ああ,そういうことだったのか」ということが紐解かれる。 憲法議論に足をつっこんだ人はこれくらい知っていてほしい。 もちろん,そのような議論に積極的につっこまない人にも。 発見が多い本。読みやすかったです。2013/05/20