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内容説明
20世紀、あまりに新しすぎる情報技術の姿を示したベンヤミン。21世紀、デジタル情報が縦横無尽に飛び交う時代の天使“初音ミク”。二つの魂が時空を越えて邂逅する。
目次
序章 メタ複製技術時代とは何か
第1章 「複製技術の時代」のアクチュアリティ―「情報」は「モノ」である
第2章 ポイエーシス(生‐産)ということ―なぜ「芸術」か?
第3章 機械人形の系譜―“初音ミク”のBody Electric
第4章 “初音ミク”とは誰か―ミメシスの連鎖
第5章 生殖する“初音ミク”
第6章 メタ複製技術時代の“天使”―廃墟、死、はかない記憶
第7章 宮澤賢治と「天使の歌」
終章 メタ複製技術のベンヤミン
著者等紹介
遠藤薫[エンドウカオル]
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授を経て、学習院大学法学部教授。専攻は、理論社会学、社会情報学、社会シミュレーション(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
9
一瞬だけ現れては廃墟に消えゆくベンヤミンの天使たちは今日チェス人形の系列に連なる自己増殖的ボーカロイド初音ミクとなってネットの海で歌っている、というどう聞いても発想勝ちの本。色物に見えるがオートポイエーシス論やミーム、タルドの模倣説、モナド論、機械人形の西洋思想史とアガンベン、カッチャーリからアイドル論に宮澤賢治まで動員された個々の議論は、互いに星座の関係を成して思想とテクノロジーの現代的な理念を煌めかせる。「いま読む!名著」はシリーズ化の予定で、古典と現代のアクチュアルな共鳴に関心のある人は今後も注目。2014/01/29
つまみ食い
5
書名に入っているベンヤミンとは別に、初音ミクに代表される「メタ複製技術」(=物理的な複製技術以降)も本書全体の一つのテーマ。カレル・チャペックの『ロボット』やPerfume、伊集院光のラジオ企画「芳賀ゆい」などがベンヤミンと結び付けられながら言及される。2021/08/07
ぷほは
4
目次を観た段階でなんなく察して序盤はハナクソほじりながら読んでいたのだが、読み終わってみると中々面白い箇所もあった気がする。タイトル通り中二病全開で頭のネジ数本なくしたくらいのテンションで読むのがちょうどいいとも言えるだろう。古典をよむ大切さはインスピレーションの宝庫にアクセスできるからというのは同意だが、だからってインスピレーションだけの粘りのない文章を読まされてもこちらとしては困るというか、ニコ動のコメントのように右から左へ流れていって、もう誰も覚えていない断片たちが遊ばれていた痕跡が本書というか。2022/11/12
askmt
1
芸術を芸術たらしめる要素を分解し、その一つ、あるいはいくつかが失われた後に何が残るかという問題設定はなかなか興味深い。何か見えそうなんだが。2021/05/18
ももも
1
講義の関係で読了。2016/01/28