内容説明
文学的な深みをもつ物語や美しいデザインで人びとを魅了する「グラフィック・ノヴェル」。日本の影響を受けつつも各地で独自の進化をつづけるマンガ表現を、第一人者が作家本人の発言もまじえて紹介。イメージとことばの現在形に迫る。
目次
五〇歳からのオデッセイ―D.マッツーケーリの『アステリオス・ポリープ』
移民たちの時間―S.タンの『到着した人』
氷原を走る黒い影―M.ムースの『フランケンシュタイン』
九・五歳の女の子の冒険―M.ロスカの『ホロー・フィールズ』
解体再生されたヒーロー―R.マクガイアの『ポパイとオリーブ』
トランスフォーマーを夢見て―G.L.ヤンの『アメリカ生まれの中国人』
メカ生命体で遊ぼう―Y.タイユフェールの『ITO』
俗悪コミックスが再浮上する―マニウスの『ネクロン』
八歳の女の子が町を仕切る―J.スタンリーの『ルルーちゃん』
ホラー・コミックスの生理感覚―C.バーンズの『ブラック・ホール』〔ほか〕
著者等紹介
小野耕世[オノコウセイ]
1939年、東京生まれ。映画・マンガ評論家。国際基督教大学人文科学科卒業。現在、国士舘大学21世紀アジア学部客員教授。2006年第10回手塚治虫文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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garth
9
コミック作家や欧米のコミック・ファンのあいだではとっくに「世界コミック」の交流は進んでいて、いちばん遅れているのは日本の漫画読者なのではないか、と感想を抱く。ガラパゴス化か…2011/05/12
メルセ・ひすい
3
15-27 トルコのマンガ 日本の漫画。。 人々を魅了する米国発! 「グラフィック・ノヴェル」。日本の影響を受けつつも各地で独自の進化を続けるマンガ表現を、第一人者が作家本人の発言も交えて紹介。イメージとことばの現在形に迫る1冊。 2011/06/24
kokada_jnet
2
アメリカン・コミックスや日本漫画の勃興期からの読者で、リアルタイムで作家たちにコミットし続けている「小野耕世という人生」がとにかく羨ましい。いつもながら多幸感あふれるその著書。2011/07/09
すけきよ
2
まさに知られざる世界のコミックスだけでなく、誰もが知ってる『ポパイ』や『ドナルドダック』にも言及。ひじょうに読みやすい上に、勉強・参考になること多数。ポパイの腕は解剖学的におかしい、なんて指揮されるまで思いもしなかったよ。マンガ・アメコミ・BDを語る本は、片方を貶める比較論が出てくることが多いけど、別物なんだから、それそれに面白いでいいと思うんだよね。その点、さすがは小野先生。オルタナとファンタスティック・フォーを同時に愛で、BDもマンガも等しく語る。まさか『変ゼミ』まで言及されているとは(笑)2011/04/30
spokan
1
図書館本。 エッセイとしても面白く読めた。2021/06/18