内容説明
「僕」の心をときめかす、数式と二人の少女。オイラー生誕300年に捧ぐ魅惑の数学物語。
目次
第1章 数列とパターン
第2章 数式という名のラブレター
第3章 ωのワルツ
第4章 フィボナッチ数列と母関数
第5章 相加相乗平均の関係
第6章 ミルカさんの隣で
第7章 コンボリューション
第8章 ハーモニック・ナンバー
第9章 テイラー展開とバーゼル問題
第10章 分割数
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
136
数学好き高校生男子が主人公の数学ファンタジー。ファンタジー部分はやたら甘いが、数学部分は結構本格的で驚いた。特に何かを証明したり、何かの定理を導出することが目的ではなく、主人公たちが数式をいじくって遊んでいると、テイラー展開やバーゼル問題など、様々な数学の有名問題ができてしまうという構成。数式と戯れる感覚がちょっと懐かしかった。大学時代、無限級数展開にはお世話になったが、ほとんど公式集から引用するような使い方しかしていなかったので、今回、その導出の考え方が分かって面白かった。2015/09/13
新地学@児童書病発動中
114
高校の数学の問題を一人の少年と二人の少女が解いていくお話。数学と小説という水と油のような要素を、混ぜ合わせる手際の良さに惚れ惚れした。学生時代にこれを読んでおけば、数学嫌いを克服できたかもしれない。実際この本を読むと、数列のような難解なことがすらすら頭の中に入ってくるような気がするから面白い。(たぶん気がするだけで、深いところは分かっていないのかも。苦笑)。登場人物の中では数学が分からないことを素直に口にするテトラちゃんが可愛くて、感情移入して読めた。2015/08/16
kaizen@名古屋de朝活読書会
107
素敵で、面白いお話がいくつかつづられています。 なにげなく時間のあるときに読むのに適しています。 多少わかりにくい事項もありました。 1 wのワルツは、 一見等比数列だとわかりました。 何でワルツかというと、3乗すると1になるからでしょうか。 2 あふれる疑問は、 (a+b)(a-b) = a2-b2 (x+y)(x-y) = x2-y2 ab,xyのどちらでかくのがいいか。答えがわかりませんでした。2012/09/26
takaC
94
数学部分もきちんと吟味しながら読み進めたら、読み終えるのにえらく時間のかかった本となってしまった。ストーリーは二の次で、数式や定理の解釈の仕方(理解のさせ方)に感心した。そういう意味でとても面白く、現役時代に読みたかった。2010/11/13
SOHSA
52
第3巻ゲーデルの不完全性定理に続いて読了。第1巻である本書の方が易しいかと思っていたが私にとっては十分に難しかった。しかし、読後の爽快感と達成感は感動的ですらあった。数学っていいなあ、面白いなあと思わせてくれる作者の巧みさに感謝したい。さて残りの三冊も読もう。2013/09/01