出版社内容情報
AIの「こころ」をテーマに、各界の第一人者が人工知能の今と未来について論じる一冊。
内容説明
「AIに“こころ”は生まれるのか?」これはAI研究において盛んに議論されている問題であり、本書のメインテーマでもあります。心について語る上では、AIと人のコミュニケーション、つまり言葉によるコミュニケーションについても考えてみる必要があります。そこで本書では、AI研究の第一人者だけでなく、心や言葉の専門家も含めた、各界のオーソリティ9名に話をうかがいました。様々な視点からAIと“こころ”の関係性を探ります。
目次
第1章 AIがヒトになる日
第2章 人工知能は言葉を話せるか
第3章 AIでゲームは強くなるのか
第4章 AIは人間を説得できるのか
第5章 ゲームから現実へ放たれる人工知能
第6章 AIは道具であってほしい
第7章 「生き物らしさ」に必要なのは「痛み」
第8章 精神医療にAIを活かす
第9章 誤解だらけのAI論
著者等紹介
森川幸人[モリカワユキヒト]
1983年筑波大学芸術専門学群卒業。モリカトロン株式会社代表取締役。株式会社ムームー代表取締役。モリカトロンAI研究所所長。AIの研究開発、CG制作、ゲームソフト、スマホアプリ開発をしている。2004年「くまうた」で文化庁メディア芸術祭審査員推薦賞、2011年「ヌカカの結婚」で第一回ダ・ヴィンチ電子書籍大賞で大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
32
AI専門家(松原、鳥海)、コピーライター(一倉、糸井)、ゲームAI(伊藤、三宅)、ロボットアーチスト(近藤)、精神科医(山登)、脳科学者(中野)という気鋭の9人の識者へのインタビューをゲームクリエーターの森川幸人が編集して、ご丁寧にそれぞれ前説まで書いている。語り口調で読みやすいが、中身は濃い。QアンドA形式ではないが、森川が聞きたいポイントが透けて見える。AIが「こころ」を持つことは可能か?「こころ」を持つとは一体どういうことか?もちろん現時点で誰も答えられない質問だが、重要なヒントが提示されている。2019/07/27
はと麦茶
14
面白かった。「こころ」は関係性の中にあるのか。なるほど~。糸井さんのAIは道具であってほしいという意見に賛成。将来お世話になるかもしれない介護ロボットに「こころ」があると頼みにくいなと思ってしまう。2019/11/25
maimai
11
人工知能が意志を持つ。そんな及びもつかない考えが現実のものになろうとしています。Deep learningは人間に猫という存在を教えることなく猫を認識しました。つまりAIが自律的な学習を行うということ。AIの学習スピードは早く知能面において人類を支配してしまうという意見もありSFの世界に向かっているのではないかと感じました。人類が生み出した文明は利便性をもたらすと同時に用途によっては脅威をもたらすと感じています。人類vsAI.馬鹿みたいな構想が現実になっていくのではないかと感じています。人間ってなんだろう2020/08/13
コービー
3
『AIは心を持てるのか?』ということについて語られています。個人的に面白かったのが「AIは時間の概念を持つのが難しい」という話です。相手から『さっきのあの話だけどさ』と言われてもAIは『さっき?あの話??』となってしまうみたいです。ほかにも『動物には心がない。その一方でAIBOには心のようなものが備わっているのに、私たちは心がない動物の方により親しみを感じる』ということも、確かにそうだなと思いました。ロボットは完璧すぎない方がよいのかも?2020/09/29
らじゅう
3
人間は嘘をつく。サボる。体がある。痛みがある。 糸井重里氏いわく、人間くさいことこそ何かの問題を解決するときの肝心要の本質だったりする。2019/09/29