内容説明
「ブラインドメイク」の化粧技法は、これまで化粧がしたくても、目に障害があることで化粧することを諦めた視覚障害者の女性たちのために、著者の大石華法氏が二〇一〇年に考案しました。目が見えなくなることで、一度は諦めた女性としての身だしなみの一つである化粧…。それが「ブラインドメイク」によって、一人で鏡を見ないでフルメーキャップができるようになった。このことで、顔を上げて歩けるようになった。人と話すことができるようになった。もう一度生きてみようと考えることができた。こうした彼女たち自らが執筆した涙と感動の物語を一冊の本にまとめました。
目次
第１章 プロローグ「視覚障害者は、どうしてお化粧するんですか？」
第２章 七人のブラインドメイク物語（ブラインドメイクは生きる力に；ブラインドメイクに出会うまで、そして未来へ；化粧することを諦めない；ブラインドメイクに教えられた大切な気持ち「やってみる、やればできる！」；逆転満塁ホームラン！；私の人生の宝物―三つの光；ブラインドメイクを世界に！！）
第３章 「ブラインドメイク・レッスン」の手引き
著者等紹介
大石華法［オオイシカホウ］
一般社団法人日本ケアメイク協会理事長。大阪府生まれ。日本福祉大学大学院福祉社会開発研究科社会福祉学専攻博士課程。高齢者・認知症患者・視覚障害者・精神障害者を対象とした、化粧の有用性に関する研究を行っている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
46
視覚障害の女性たちが、自らの手でフルメイクを施すことができた─。その喜びの胸中を語る【ブラインドメイク】物語。「美しい」「素敵」「かわいい」…褒め言葉は、女性に潤いを与えてくれる保湿液。諦めていた称賛の言葉を、彼女たちは自らの手で獲得しました。ブラインドメイクの考案者である大石さんのサポートが、暗闇を照らすスポットライトとなったのです。彼女たちが綴った物語の行間からは、弾ける笑顔が咲き乱れ、私はぽっーと見惚れていました。2017/11/09
G-dark
20
目が見える人も、見えにくい人も、見えない人も、お洒落が楽しいのは皆同じだと教えてくれる本です。スキンケアやメイクの時間を通して、人は癒され、時にはまるで戦闘服を着たかのような高揚感を味わえます。スキンケアをするだけでも、肌が綺麗になると嬉しいし、周りの人から「きれい」と言われるとよりいっそう嬉しいものですよね。自分の顔のパーツの形、大きさ、今のコンディションを把握しないとスキンケアもメイクも出来ませんから、こうしたお洒落は自分で自分と向き合う大切な時間にもなります。2021/03/25
yomineko＠猫と共に生きる
16
目の不自由な方もレッスンを受ければフルメイクを上手にすることが出来る！本を読む前は半信半疑でしたが、自分の手指を使うことによってきれいに出来る事を知り、驚きました。目の不自由な方がきれいになりたいとの一心でメイクを習っているのをとても素晴らしいと思いました。私は晴眼者なのに日々のメイクを適当に済ませていてちょっと恥ずかしくなりました。この本を教えて下さったマイ読さんに感謝したいと思います。2018/06/13
ふじか
2
巻末にブラインドメイクの手引きが載っていて、体験談に出ていたこれはこうするのか！と驚きと共に納得。 特にビューラーとマスカラの手法には驚き。よく考えついたなぁ。 あとはアイシャドウの塗り方は目が見える人間でも時短技として使えるなと思いました。2018/03/02
ShiorinTwins
1
7人の視覚障害者の女性たちがブラインドメイクに出会うまで、そしてブラインドメイクに出会ってからの人生をそれぞれに語って行きます。視力を失って絶望した人、差別に苦しんできた人、皆さんそれぞれいろいろな経験をされてきた方たちがブラインドメイクを通して変わっていった様子がご掲載されているので、とても勉強になりました。2020/01/22
