内容説明
MITの学部学生向けの講義から生まれた教育的な弦理論の教科書。“基礎編”では相対論的な開弦および閉弦の基本的な量子化までを丁寧に解説する。まず特殊相対論と光錐座標系、高次元時空、余剰次元のコンパクト化などの背景概念を導入し、非相対論的な弦の力学を復習する。そして相対論的な点粒子や弦の古典論を論じ、それらに対して光錐量子化を施して、Lorentz不変性の要請から弦理論の臨界次元が決まることや、弦の量子状態として光子や重力子が現れることなどを見る。最終章では超対称性を導入した超弦理論の考え方を簡潔に紹介する。
目次
緒論
特殊相対性理論・光錐座標系・余剰次元
様々な次元における電磁気学と重力
非相対論的な弦
相対論的な点粒子
相対論的な弦
弦のパラメーター付けと古典的な運動
世界面カレントと保存量
相対論的な光錐弦
各種の光錐場とボゾン
点粒子の光錐量子化
相対論的な量子開弦
相対論的な量子閉弦
超弦理論入門
著者等紹介
樺沢宇紀[カバサワウキ]
1990年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻前期課程修了。(株)日立製作所中央研究所研究員。1996年(株)日立製作所電子デバイス製造システム推進本部技師。1999年(株)日立製作所計測器グループ技師。2001年(株)日立ハイテクノロジーズ技師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
2
超弦理論を学びたくて本書を読みましたが、基本超がつかない弦理論です。弦を相対論化・量子化して議論してます。相対論、量子力学、おまけに電磁気、解析力学を一通り学んでいれば、多少忘れていても十分追っていけるくらい詳しく記載されてます。弦理論が正しければ、現実は26次元というのもちゃんと導かれていて、数式好きな私としてはわかりやすかったです。ただ章末問題の解答がついてないので、証明問題はともかく解答があってるのかどうかわからないのがつらいところです。2020/06/06
α-ソリトン
0
下巻の参考文献ページがとても使える2014/09/30